現在の仕事についた経緯
生まれつき不器用に早生まれが加わり、何事も人の何倍も努力して、やっと人並みでした。
そんな自分が、人事コンサルティング会社でフリーランスの評価専門職として働いた時、「これは【能力面で】自分の天職だ」と確信したことが、今の事業を始めたきっかけです。
2009年に事業家だった父、2010年にフルートの師匠と、尊敬する二人が他界。葬儀の場で、これほどまでに多くの人に影響を与えてきたのか、と感じたことが、自分の生き方を変える転機になりました。
精度の高いアセスメントをもっと社会に知ってもらい、沢山の人に役立ててほしい。その想いから転職を考えました。しかし47歳という年齢での転職は難しく、全く人脈がない中、2011年に会社を立ち上げました。
仕事へのこだわり
私が仕事において大切にしていることを3つ挙げます。
⑴常に見える成果を目指す
人事はゴルフのパターに似ていると思います。製造業・建設業・SE等、マニュアルや指導がなければ未経験者はできない職種は多いでしょう。
でも人事、特に採用や育成は、それまでの人生経験で、なんとかできそうな印象を持たれがちです。ボールには当たるし(30分程度の自由面接なら質はともかくできる)、カップにたまに入るし(印象で採用したらあたりだった)、ドライバーのようにロジックを学ばずとも良さそうな気がしますね。
しかし3メートル以内を常に1パットで沈めるためには、パターの基礎が必要です。人事領域も、再現性を高め一定の成果を出すためには同じです。
仕事に向かう時は成果を出すために、いつも主観を排除し、客観的な根拠をもとに、物事を視るようにしています。
⑵人は永遠に成長すると信じる
求職者の面接指導や顧問先のキャリアコンサルティングから、自然とそう思えるようになりました。
自分の悩みや課題の解決策は、本人の中にあります。その気づきが小さな動きとなり、動くことで見える風景が変わり、振り返ると一年前の自分からこんなに変わったんだ、ということがとても多くあります。
私の口癖は「宝物は、あなたの中にあります」です。
⑶個人の成長を企業の発展につなげる
弊社の事業の目的ですが、当たり前のことだと思われるでしょう。
しかし、社員さんと定期的に面談をしていくと、その人の幸せだけに意識が向いてしまうリスクがあります。
同じように、経営者のコンサルティングでも、社員が自分の意思で成長するために、社員を資源でなく資本と考えてもらうような働きかけが必要です。
常に複数の視点で、相手に寄り添いながら、客観的に臨むようにしています。
若者へのメッセージ
最も伝えたいことは「なりたい自分のために、小さくても動くこと」です。
その時大切なのは、「Will」と「Can」を分けて考えること。多いケースが、「なりたいですか」への回答が「自分にはできないだろうから…。」なのです。
まず、できるできないは横に置き、なりたいかどうかを純粋に考えてみてください。そして「なりたいけれど、多分できない」であれば、できないという塊をばらばらにして、書き出してみてください。そうすると、すごく難しいこともあれば、(効果はともかく)今すぐ動けそうなことも見つかるかもしれません。
大事なのは、小さな効果しか期待できないとしても、難しくない行動をしてみることです。もちろん、難しいことへのチャレンジも、やりたいと思えるならぜひやってみてください。
動けば見える風景が必ず変わります。風景が変わると、ばらばらにした「できない群」の中から、次にできそうなことが見つかるかもしれません。また、なりたいことが違ってくるかもしれません。
なりたい自分のために「できない塊」の前で立ち竦まず、一番やっても良いと思えること、簡単なことから動いてみてください。そして動いた後、どのように風景が変わったかをしっかり確認してください。きっと新しい何かが発見できると思います。