現在の仕事についた経緯
理学療法士として10年以上、スポーツ現場や整形外科で選手や患者と向き合ってきました。多くの身体と心の変化を見てきた中で、自身の妊娠・出産を経験し、「妊婦の身体にこそ運動が必要」という確信を得ました。しかし、当時の日本ではその重要性がほとんど認知されておらず、もどかしさを感じました。また、離婚という人生の転機も経験し、「母として、女性として、自分の人生をどう生きるか」に真剣に向き合うようになりました。理学療法士、スポーツトレーナー、そして母としての経験を掛け合わせ、マタニティトレーニングを通じて、心と体を整え、自分を生きる女性を増やしたいという思いで独立を決意しました。
仕事へのこだわり
私が仕事をするうえで大切にしているのは、「自分にできることを尽くすこと」、そして「その行為の本質や目的を常に問い続けること」です。ただ目の前のタスクをこなすのではなく、“なぜ今これをやるのか”“何のためにこの人にこのアプローチが必要なのか”といった根本の部分に目を向けています。
たとえばマタニティトレーニングであれば、「この人がなぜ運動を必要としているのか」「本当に身体を変える前に、心の状態に向き合うことが大切なのではないか」と、目に見える身体の変化だけでなく、その奥にある心の声にも耳を傾けるよう心がけています。技術や知識だけでは導けない「気づき」や「変化」を提供するためには、丁寧に向き合う姿勢が不可欠だと考えています。
また、これまでの仕事人生では常に「これは自分でなければできない仕事か?」という問いを持ち続けてきました。新人の頃は、正直に言うと今よりもずっと不真面目だったと思います。しかし、人との関わりを通して、自分が信じたい仕事の在り方を少しずつ築いていきました。良い先輩や上司との出会いは大きな財産であり、今でもプライベートを含めた交流が続いていることが、私の人生に深みを与えてくれています。
「誰のために」「なぜこの仕事をしているのか」を忘れずに、自分らしく、でも誠実に向き合う。それが私の仕事に対するこだわりです。
若者へのメッセージ
まずはたくさん失敗してください。失敗は恥ではなく、学びの宝庫です。失敗の中から何ができたか、その経験があなたの強みとなり、個性として根付いていきます。成功への道は、正解が一つではなく、失敗を重ねながら自分にしかない答えを見つける過程なのです。私自身、小・中・高生の成長に携わる中で、正解とされるものに従うだけでは見失われる「自分らしさ」の大切さを実感してきました。現代は「空気を読む」ことが求められがちですが、本当に大切なのは、自分の心に問いかけ、自分の価値観や生き方を自らの手で切り拓くことです。たくさん失敗し、たくさん学ぶことで、あなたの内面に眠るコアな部分を発見し、自分だけの道を歩んでください。そうすることで、自分らしい、豊かな人生を築けるはずです。