現在の仕事についた経緯
医療機器業界で20年以上、主にマーケティングや事業開発に携わってきました。外資系・日系企業の両方を経験する中で、優れた技術や治療法があっても、仕組みや伝え方次第では患者さんに届かないことがあるという現実を何度も目の当たりにしました。
そうした課題意識から、医師・企業・行政をつなぐ立場として、より本質的に医療に貢献したいと考え、メドキュレーション株式会社を創業しました。現在は、骨盤内がんに対する新しい治療選択肢であるNIPP(閉鎖循環下骨盤内非均衡灌流療法)の社会実装を軸に、医療機器開発や事業化支援に取り組んでいます。
仕事へのこだわり
新人時代から一貫して大切にしてきたのは、「現場で起きている事実を、自分の言葉で理解すること」です。
医療機器の仕事は、製品知識だけでなく、医師の判断、患者さんの背景、制度や保険といった複雑な要素が絡み合います。だからこそ、机上の理論ではなく、現場に足を運び、対話を重ねることを重視してきました。
そして、キャリアを重ねる中で、単なる製品販売ではなく「医療として成立する仕組みをつくる」ことが自分の役割だと考えるようになりました。現在取り組んでいるNIPPも、技術だけでなく、学会、企業、規制、資金調達など、多くのステークホルダーを巻き込みながら進める必要があります。
私の仕事のスタイルは、対立ではなく調整をする、正解を押し付けるのではなく選択肢を提示することです。それぞれの立場や制約を理解した上で、「どうすれば前に進めるか」を一緒に考える。遠回りに見えても、その積み重ねが信頼を生み、最終的に大きな成果につながると信じています。
経営者となった今も、答えを持っている人であるより、問いを立て続ける人でありたいと思っています。そうした姿勢を大切にしながら、医療と社会をつなぐ仕事に向き合っています。
若者へのメッセージ
若い頃は、「正解を早く見つけなければ」「失敗してはいけない」と思いがちですが、振り返ると本当に自分を成長させてくれたのは、うまくいかなかった経験の方でした。遠回りや失敗は、決して無駄にはなりません。
大切なのは、自分なりの違和感や問題意識を持ち続けることだと思います。周囲の評価や流行ではなく、「なぜか気になる」「これはおかしい」と感じることの中に、自分の軸が隠れています。
また、すぐに結果が出なくても、誠実に積み重ねた経験は、必ずどこかでつながります。私自身、点でしか見えなかった経験が、後になって線になり、今の仕事につながっています。
どうか焦らず、自分のペースで挑戦を続けてください。挑戦し続ける限り、キャリアは何度でも更新できます。

