現在の仕事についた経緯
前職では中小企業向けに効率的かつシステマチックなコンサルティングを行っていましたが、次第に中小企業との関わりが増える中で、その手法だけでは本質的な課題にリーチできないことに気がつきました。
中小企業では、経営者と膝を突き合わせて対話しなければ、真に困っていることやその解決策を見出すことは難しいのです。さらに、実行段階では人手不足などの理由で提案通りに進まないケースも多く、自らが現場に入り込み実行支援まで行う必要性を痛感しました。
従来の「提案して終わり」のコンサルではなく、経営者の想いや現場の声にしっかりと耳を傾け、寄り添いながら本質的な解決を図る支援をしたいという思いから独立に至りました。現在は、より実行力のある、本質に迫る経営支援を提供しています。
仕事へのこだわり
私は新人時代から一貫して、お客様が「今、何に困っているのか」を起点に考え、自分に何ができるのかを模索し続けてきました。単にサービスの枠に収まる提案ではなく、相手が本当に求めていることに対して、自分の知識やリソースを活かして応える姿勢を大切にしてきました。
サービス外の内容であっても「お客様が喜んでくれるなら」と思えば、自ら調べ、対応してきました。それが自分にできる最大の付加価値だと考えているからです。自分を選んでいただいた以上、その信頼に応える義務があると思っています。
こうした姿勢は、私の根底にある「相手の喜びが自分の喜びになる」という価値観から来ています。もともと好奇心旺盛な性格で、知らないことを知ること、人の役に立つことに大きなやりがいを感じます。仕事を「義務」としてではなく、「楽しみ」として捉えることができているのも、お客様とのやり取りを通じて新しい発見があるからです。
仕事をする上で私が最も大切にしているのは「ヒアリング」です。例えば「人手不足で困っている」という相談を受けたとき、ただ求人広告を出せば解決するとは考えません。「なぜ人手が足りないのか?」「本当に採用で解決できるのか?」と深く掘り下げていくと、業務の非効率性や、社内のコミュニケーション不足、離職率の高さといった根本的な課題が見えてくることが多いのです。
こうした場合は、経営者とともに現状を棚卸しして、課題に優先順位をつけて、一つずつ確実に解決していくアプローチをとります。ただ「アドバイスをして終わり」ではなく、「実行まで伴走する」のが私の仕事のスタイルです。
当社の経営理念には、「戦略総務を通じて、中小企業の漠然とした将来像の具現化(ビジョンメイキング)を伴走支援し、縁ある全ての人の物心両面の幸福を追求する」と明記しています。日本に存在する企業の99%は中小企業であり、その約7割が赤字経営とも言われる中、彼らが生き抜くためには、経営者の右腕として真に機能するパートナーの存在が欠かせません。
私は企業経営を「大海原を航海する船」に例えています。経営者はその船の船長であり、荒波のなかで航路を見出すには、確かな羅針盤と、それを読み解く知識・経験が必要です。どんなにAIが進化しても、会社の「今」と「これから」を見極め、船長とともに最適な航路を描くには、人と人との深い信頼と理解が欠かせません。
だからこそ私は、単なる外部コンサルではなく、経営者にとっての羅針盤であり、舵取りのパートナーであることを目指しています。これからも学びを深め、時代に即した最適な支援を提供し、経営者と共に「理想の未来」を現実にしていけるよう努力し続けます。
若者へのメッセージ
これから社会に出ていく中で、不安や迷いを感じることも多いと思います。何が正解なのか、どんな道を選ぶべきかと悩む気持ちもよく分かります。でも、社会に「たった一つの正解」なんて存在しません。だからこそ大切なのは、頭で考えすぎずに「やってみたい」「面白そう」と思ったことに、素直に飛び込んでみることです。
私自身も、これまで何度も挑戦と失敗を繰り返してきました。でも、後悔していることは一つもありません。なぜなら、行動したことでしか見えなかった景色や出会えなかった人たちがたくさんいたからです。逆に、「あの時やっておけばよかった」と思うような、チャレンジしなかった経験の方がずっと悔いに残ります。
そして、何より大切にしてほしいのは「自分が楽しい、好きと思えること」です。人にどう思われるかよりも、自分の中で「やってて楽しい」「もっと知りたい」と思えることに出会えたら、それはもう十分な価値があります。楽しいことには自然とエネルギーが湧きますし、そこに努力を重ねれば、それは立派なスキルや武器になります。
社会に出たあとも、日々の仕事の中で楽しさややりがいを見つける姿勢が、自分の成長につながります。そしてその積み重ねが、自分のキャリアを形作っていくのです。
不確実な時代だからこそ、正しい答えを探すのではなく、自分の軸を持ち、自分にしかできない経験を積んでいってください。チャレンジすることを恐れず、まずは一歩を踏み出してみる。その小さな一歩が、未来の大きな扉を開くことになるはずです。