現在の仕事についた経緯
私がデザイナーになったきっかけは、思わぬ特技からでした。
学生時代は勉強が大の苦手で、机に座る姿を見た母が驚くほどでした(笑)。その代わり、毎日寝ている時に違う夢を見ることが楽しみで、「夢を見ることが私の特技」と自負していました。この特技が、私の想像力を豊かにし、デザイナーへの道を開くきっかけになりました。
高校卒業後は北海道から上京し、デザイン専門学校へ進学しました。非常勤講師だったデザイナーの方に事務所へ誘っていただき、就職が決まりました。その後はデザイン会社を退職し、26歳で「ギャザリング株式会社」を設立しました。自営業の家族に囲まれて育ったことで、自然と経営者への興味が芽生えたことが起業のきっかけとなりました。
仕事へのこだわり
父が大工、母が彫刻家、兄がフラワーデザイナー、姉が飲食責任者として、皆それぞれ自営の環境で育った私は、幼少期から物づくりの現場を間近で見てきました。その影響で「アーティストではなく、人のためになるデザイナーになりたい」と思い、まずは手に職をつけることを目指しました。
デザイン業界は厳しく、新人時代から一案件を任されることはほとんどありません。技術職に携わる方には共感していただけるかもしれませんが、一案件を担当できるまでに約5年かかるのがこの業界の常識です。私が勤務したアトリエ系デザイン事務所は、少数精鋭で属人的な組織でした。一人あたりの作業量が多く、何でもこなす必要があるため、ハードワークが求められました。その結果、多忙さや低賃金に耐えきれずに辞めていく人も多かった組織です。
しかし私は運良く、入社3カ月で1物件を担当する機会をいただきました。それからの5年間は、濃密な経験を積むことができ、自分自身のスキルを磨くための貴重な時間でした。この経験が、今の私の仕事の土台となっています。
私には「これ」といったスタイルはありませんが、仕事を通じて学びながら、クライアントの想いを理解し、誠意を持って対話することを大切にしています。これまで一部上場企業や創業140年の老舗、ベンチャー企業、個人店まで、多種多様な方々のお仕事をお手伝いしてきました。その中で「ありがとう」と感謝の言葉をいただける瞬間や、お店が繁盛する姿を見ると、この仕事のやりがいを感じます。
内装空間は、クライアント、デザイナー、施工会社の三者が共創して完成するものです。クライアントが事業に込めた想いが、完成した空間にしっかりと反映されることが理想です。それを形にすることが、私のデザインに対するこだわりです。
若者へのメッセージ
人生にはそれぞれの時間軸があります。他人と比べる必要はありません。「早すぎる」「遅すぎる」といった言葉は、そもそも存在しないのです。周りの人が自分より先を進んでいるように見えたとしても、焦る必要はありません。大切なのは、自分自身と対話し、どんなビジョンを描き、行動に移すかどうかです。
インターネットの発達により情報が民主化され、今はどこに住んでいても、どこで働いていても稼ぐことができる時代になりました。そんな時代において、行動力こそが唯一の価値だと思います。失敗や恥ずかしい思いは一瞬のことです。迷った時はこう考えてください。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
「やるは一時の恥、やらぬは一生の恥」、成せば成る、何事もです。行動さえすれば、可能性は無限大です。勇気を出して、一歩を踏み出してみてください。