リーダーインタビュー
笹谷寛道
特定非営利活動法人バウム カウンセリングルーム 理事長 笹谷寛道 https://baum16.com/

Profile

愛知大学文学部在学中に心理学に興味を持ち中退。夜間の専門学校でカウンセリングを学ぶ。
2006年(24歳)に独立し、不登校・引きこもり専門の自立支援寮を設立。その後、厚生労働省から障害福祉事業(30事業所)の指定を受け、経営を行う。設立当初から18年連続増収を達成。人材定着率9割を超える社内教育の仕組みを構築。
2017年には「中部IT経営力大賞」「攻めのIT経営中小企業100選」を連続受賞。
著書に『社員が辞めない福祉法人の経営術』『「辞めない」「諦めない」福祉組織へ』がある。
福祉法人の経営課題解決のサポートのため、セミナー講師、執筆活動など多方面で活躍中。

現在の仕事についた経緯

愛知大学在学中に心理学への強い関心から中退し、夜間の専門学校でカウンセリングを学びました。その後、不登校・引きこもり支援を行う団体に参加し、現場での支援経験を積みました。
24歳で「やれる人がやる」という信念のもと独立を決意。不登校・引きこもり専門の自立支援寮を設立し、その後NPO法人化しました。経営を通じて人材定着率や組織文化の改革に取り組み、現在は福祉業界全体の経営課題解決に向けて活動しています。

仕事へのこだわり

私の仕事へのこだわりは、職人の父と商売人の母という家庭環境から形成されました。両親とも自営業であり、自分の欲を犠牲にしてでも情熱を燃やす「やれる人がやる」という信念が、私の経営スタイルの根幹を成しています。

新人時代から私が築いてきたSTYLEの最大の特徴は、「トップの考えを実行するスピードの速さ」を組織の基準とすることです。私の方針を1日で実行できる人は理事長補佐、1週間で実行できる人は部長職、1ヶ月かけて実行する人は所長・課長職というように、実行速度によって職責を決定しています。
これは単なる評価基準ではなく、「社員は会社の方針を決められた通りに実行する、会社は社員の生活を最優先で守り抜く、これが社員と会社の交わした約束である」という強い信念に基づいています。

私は仕事を「歯を磨くのと同じ」と表現します。朝起きたら自然に歯を磨くように、ストレスや義務感なく仕事に向かう。この感覚は、経営者として何百人もの職員とその家族、利用者様の人生を預かっているという使命感に支えられています。

しかし同時に、私は「手間を惜しまない」経営を実践しています。職員育成にはDXを活用しながらも、一人ひとりとの対話を大切にし、理念と日常業務をつなげる実践的な手法を追求しています。
新人職員には私たちのインストラクターがマンツーマンで付き、未経験者でも安心して働ける環境を整備しています。これは職人気質の親から学んだ「丁寧さ」と「こだわり」が、現代の経営手法と融合した形です。

定着率20%から90%への向上、7年連続増収、売上12億円超の安定達成という実績は、このSTYLEが生み出した成果を物語っています。

若者へのメッセージ

若い世代の皆さん、「たくさん失敗してください」。

仕事でもプライベートでも、何かを上手になりたいと思った時、最も必要なものは「経験する」ことです。失敗の繰り返しこそが学習の最良の早道であり、今上手にできないことは大切な経験なのです。やる前からあれこれ考えた所で、他人から見れば一歩も進んでいません。

多くの若者が「自分には自信がありません」と相談してきます。しかし、自分を信じられないのは、単に体験がないからです。「私にはその才能がない」と思うかもしれませんが、特殊な才能がないとできない仕事はほとんどありません。実は、私にも経営者の才能などまったくありません。

自信を持てるようになるのは、失敗の体験が多い人、目標に向かって手と口と足を動かす人、お客様に叱られた人です。失敗から学びを得て同じ失敗をしないようになること。わからないながらも経験を積もうとすること。そして叱られることで、やってはいけなかったことを強く意識すること。これらすべてが自信に繋がります。

私が自信に満ち溢れているように見えるのは、バウムの中で誰よりも多くの失敗を経験してきたからです。失敗の数、失敗の質、間違いなく私がナンバーワンです。だから誰よりも判断に自信が持てるのです。

そして、もう一つ大切なことがあります。福祉業界を「なりたい職業No.1」にしたいという想いです。
この法人に入ってよかった、この仕事についてよかった、と言ってもらえる環境をつくることが、私たちの役目だと考えています。福祉の業界を変えていく。その最前線を担う若者たちに、ぜひ出会いたいです。

皆さんの中に「困った時に頼れる大人」がいること。助け合いが自然にできる社会。そういう未来を一緒に作っていきませんか。
自信を持ちたいなら、どんどん新しいことにチャレンジしましょう。同じ失敗を繰り返さないようになった時、できなかった仕事ができるようになっている自分に気づいた時、それがあなたの自信に繋がるはずです。