現在の仕事についた経緯
高校・大学進学時、私は音楽や料理といった「好きなこと」を学べる道に強い憧れを抱いていました。しかし親との衝突もあり、結果的に普通科へ進学します。今振り返ると、その選択は私にとって正解でした。なぜなら、音楽の世界には才能の圧倒的な差があり、「どうしても届かない存在」を知れたからです。一方で、「もし音大に進んでいたら」という想いは心に残り続け、好きなことを追い続ける人への敬意と憧れは消えませんでした。
転機は、芸術の道を志す妻との出会いです。彼女の夢を応援するファンでありたいと思いながらも、出産や海外赴任といった現実の中で、結果的に夢を奪う形になってしまった。その後悔と向き合い、「好きなことを仕事にする人を支える側として、できる最大のことは何か」を考え続けたことが、現在の仕事の原点です。
仕事へのこだわり
私の仕事の軸は、一貫して「WinWin」です。口にするのは簡単ですが、本当に双方が幸せになる関係を築くのは簡単ではありません。新人時代から私は、自分を主役にするよりも、組織やチームが最大限に力を発揮するための黒子であることを意識してきました。調達部門で培った経験もあり、自分をスーパーサブ、超目立つ黒子だと捉えています。
コンサルティングにおいても同様で、クライアントの期待を超える成果を出すために、誰が一番輝くべきかを常に考える。特に今は、社内外のデザイナーやイラストレーターにもっとスポットライトを当てたいと強く思っています。良い仕事をしているのに、正当に評価されず、報酬にも反映されない。その構造自体を変えたい。
AIによって業務効率化が進む時代だからこそ、私は敢えて俗人性の高いプロフェッショナル集団を作っています。日本だけでなく、インドやタイ、ベトナムといった海外メンバーともチームを組み、機動力を保ちながらクロスボーダーで仕事を受ける。目指すのは、「この人たちに頼みたい」と思われる存在です。
いい仕事を、楽しく、誇りを持ってやる。その対価として正当な報酬を得る。そんな当たり前を、本気で実現しにいく。それが私の仕事へのこだわりであり、これまで築いてきたSTYLEです。
若者へのメッセージ
特に、美術大学に通う学生の皆さんに伝えたいことがあります。どうか、自分たちの価値を低く見積もらないでください。私は、東大より東京藝大、京大より京芸の方が、これからの社会を変える力を持つ人が多いと本気で思っています。大切なのは、才能だけではありません。自分の考えや価値を言語化する力、そして人と協働するコミュニケーション力です。もしそれが苦手なら、無理に一人で抱え込まず、得意な人に任せるのも立派な選択です。一人でできることには限界がありますが、チームで動けば、世界は一気に広がります。
好きなことを仕事にする道は、決して楽ではありません。それでも夢を追いかける姿は誰かの人生を照らします。だからこそ、諦めず、楽しみながら続けてほしい。人生は一度きりです。自分の「行ってみたい」「やってみたい」という衝動を大切にしながら、仲間と共に、面白い未来を創っていってください。

