リーダーインタビュー
宮島一郎
株式会社ヘヤゴト 代表取締役社長 宮島一郎 https://heyagoto.co.jp/

Profile

1993年、関東学院大学を卒業後、食品商社大手の株式会社菱食(現・三菱食品株式会社)に入社。札幌支社及び帯広営業所にて営業職に従事し、新規開拓エリアの売上を3倍に拡大させるなど卓越した成果を上げる。
在職中にIT革命の波を肌で感じ、テクノロジーがビジネス構造を変革する未来を確信。その後、家業の経営再建に携わる中で「黒字倒産」という経営の厳しさを経験したことから、財務・会計およびマネジメントを深く学ぶべく経営コンサルタント業へ転身。数多くの企業再生や戦略立案に携わり、実務的な経営手腕を磨く。
2006年12月、株式会社ヘヤゴトの前身となる株式会社セイルーを設立し、代表取締役に就任。家具・インテリア業界に特化したO2O(Online to Offline)プラットフォームを構築し、業界と生活者をつなぐ新たな流通構造を創出する。
現在は「100年企業」をビジョンに掲げ、住生活関連サービスの多角化と業界のDX推進を牽引している。

現在の仕事についた経緯

私のビジネスの原点は、1993年に入社した食品商社(現・三菱食品)での経験にあります。札幌や帯広での営業職として、泥臭く足を運び、配属先の売上を3倍にする成果を上げました。しかし、30代を目前にして感じたのは達成感と同時に訪れた「燃え尽き」のような感覚でした。

転機は、Windows 98の登場と共に訪れた「IT革命」です。社内にイントラネットが導入され、これまで電話とFAXで行っていた業務が一瞬で完結するスピード感に、人生が変わるほどの衝撃を受けました。「これからはインターネットが社会インフラになる」という確信が、私を突き動かしました。

そしてもう一つ、私には忘れられない挫折があります。商社退職後、実家の和菓子メーカーの経営に携わった時のことです。売上は好調でしたが、過大な借入金によるキャッシュフローの悪化で、いわゆる「黒字倒産」を経験しました。
「良いモノを作っても、経営(数字)が弱ければ会社は潰れる」。この痛烈な原体験から、財務やマネジメントを死に物狂いで学び直しました。ITの可能性への「希望」と、倒産の「痛み」。この両方を知っていることが、ヘヤゴトを創業し、堅実かつ革新的な経営を続ける私の強みとなっています。

仕事へのこだわり

仕事において私が最も大切にしているのは、「ミッション・ビジョン・バリュー」の徹底と「継続」する力です。
当社は「100年企業」を目指しています。コーポレートカラーである茶・緑・赤は、木の幹・葉・実を表しており、深く根を張り、社会に豊かな実りを提供し続けるという決意の表れです。

そのために掲げている行動指針が「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」という言葉です。創業期、リーマンショックや東日本大震災で資金が枯渇し、「もう駄目だ」と孤独に震えた夜もありました。しかし、諦めずに足を動かし続け、人を信じ、誠実に事業に向き合った結果、素晴らしい仲間が集まり、危機を乗り越えることができました。だからこそ、「正しい努力は裏切らない」と断言できます。

私たちは、家具インテリア情報のポータルサイト「ヘヤゴト」や「Seiloo」などを通じて、業界と生活者の架け橋となるプラットフォームを提供しています。目指すのは、お客様に「120%の満足と感動」を与えるオンリーワンのサービスです。三方良しの精神で、関わる全ての人を幸せにし、利益もしっかりと出し続ける。きれいごとではなく、泥臭く利益と理想の両方を追求することこそが、私のプロとしての流儀です。

若者へのメッセージ

これからの時代を生きる若者に伝えたいのは、「20代・30代のうちに圧倒的な『量』をこなせ」ということです。最近は効率を重視するあまり、最初から「質」を求めようとする人がいますが、それは間違いです。若い頃に何かに没頭し、がむしゃらに量をこなした経験の蓄積がなければ、40代以降で必ず成長は止まります。

また、自身のキャリアを考える上で、「市場価値」を正しく理解してください。自分の価値を決めるのは、自分ではなく「他者(市場)」です。今の会社が嫌だから転職するのではなく、「君が欲しい」と他社からオファーが来るほどの実力を今の場所で身につけること。それができて初めて、転職も起業も成功の選択肢となります。

最後に、利己的にならず「利他」の志を持ってください。自分の利益だけを追求する人は、目標達成した瞬間に劣化が始まります。「世の中のために」「誰かのために」という大きな志を持つ人は、苦しい時も折れず、応援され、結果として経済的にも成功します。
歴史に名前が残るような、大きな仕事をする人生を歩んでほしい。挑戦し続ける先にしか見えない絶景を、ぜひ皆さんも目指してください。