現在の仕事についた経緯
私のビジネスの原点は、1993年に入社した食品商社(現・三菱食品)での経験にあります。札幌や帯広での営業職として、泥臭く足を運び、配属先の売上を3倍にする成果を上げました。しかし、30代を目前にして感じたのは達成感と同時に訪れた「燃え尽き」のような感覚でした。
転機は、Windows 98の登場と共に訪れた「IT革命」です。社内にイントラネットが導入され、これまで電話とFAXで行っていた業務が一瞬で完結するスピード感に、人生が変わるほどの衝撃を受けました。「これからはインターネットが社会インフラになる」という確信が、私を突き動かしました。
そしてもう一つ、私には忘れられない挫折があります。商社退職後、実家の和菓子メーカーの経営に携わった時のことです。売上は好調でしたが、過大な借入金によるキャッシュフローの悪化で、いわゆる「黒字倒産」を経験しました。
「良いモノを作っても、経営(数字)が弱ければ会社は潰れる」。この痛烈な原体験から、財務やマネジメントを死に物狂いで学び直しました。ITの可能性への「希望」と、倒産の「痛み」。この両方を知っていることが、ヘヤゴトを創業し、堅実かつ革新的な経営を続ける私の強みとなっています。
仕事へのこだわり
仕事において私が最も大切にしているのは、「ミッション・ビジョン・バリュー」の徹底と「継続」する力です。
当社は「100年企業」を目指しています。コーポレートカラーである茶・緑・赤は、木の幹・葉・実を表しており、深く根を張り、社会に豊かな実りを提供し続けるという決意の表れです。
そのために掲げている行動指針が「すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」という言葉です。創業期、リーマンショックや東日本大震災で資金が枯渇し、「もう駄目だ」と孤独に震えた夜もありました。しかし、諦めずに足を動かし続け、人を信じ、誠実に事業に向き合った結果、素晴らしい仲間が集まり、危機を乗り越えることができました。だからこそ、「正しい努力は裏切らない」と断言できます。
私たちは、家具インテリア情報のポータルサイト「ヘヤゴト」や「Seiloo」などを通じて、業界と生活者の架け橋となるプラットフォームを提供しています。目指すのは、お客様に「120%の満足と感動」を与えるオンリーワンのサービスです。三方良しの精神で、関わる全ての人を幸せにし、利益もしっかりと出し続ける。きれいごとではなく、泥臭く利益と理想の両方を追求することこそが、私のプロとしての流儀です。
若者へのメッセージ
これからの時代を生きる若者に伝えたいのは、「20代・30代のうちに圧倒的な『量』をこなせ」ということです。最近は効率を重視するあまり、最初から「質」を求めようとする人がいますが、それは間違いです。若い頃に何かに没頭し、がむしゃらに量をこなした経験の蓄積がなければ、40代以降で必ず成長は止まります。
また、自身のキャリアを考える上で、「市場価値」を正しく理解してください。自分の価値を決めるのは、自分ではなく「他者(市場)」です。今の会社が嫌だから転職するのではなく、「君が欲しい」と他社からオファーが来るほどの実力を今の場所で身につけること。それができて初めて、転職も起業も成功の選択肢となります。
最後に、利己的にならず「利他」の志を持ってください。自分の利益だけを追求する人は、目標達成した瞬間に劣化が始まります。「世の中のために」「誰かのために」という大きな志を持つ人は、苦しい時も折れず、応援され、結果として経済的にも成功します。
歴史に名前が残るような、大きな仕事をする人生を歩んでほしい。挑戦し続ける先にしか見えない絶景を、ぜひ皆さんも目指してください。

