リーダーインタビュー
三井智広
東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院 院長 三井智広 https://shitamachi-endoscopy.com/

Profile

昭和大学医学部卒業。横浜市立大学消化器内科へ入局し、消化器・内視鏡診療に従事。高度な内視鏡診断・治療の技術を磨くべく、国立がん研究センター東病院に国内留学。多数の論文執筆・学会発表を行った。
新たな医療トレーニング機器(G-Master®:内視開鏡治療モデル)を開発し、博士号を取得。その後、埼玉県立がんセンターの内視鏡センター立ち上げに参画し、治療実績の大幅な増大に貢献。
内視鏡検査をもっと身近に感じてもらうため、2025年より地元である葛飾区に消化器・内視鏡クリニックを開業。国内・海外にて多数論文を執筆。若手内視鏡医へのセミナー講師も数多く経験。

現在の仕事についた経緯

2つのがんセンターでの勤務経験が、消化器・内視鏡クリニックの開業の大きなきっかけです。がんセンターの診療では、「もっと早く検査を受ける機会があれば、内視鏡治療で治すことが出来たのに」と感じる機会を数多く経験しました。内視鏡検査は「つらい」「苦しい」というイメージが根強く、検査をためらう方も少なくないためです。
早期にがんを見つけるためには、胃カメラ・大腸カメラといった内視鏡検査をもっと気軽に受けてもらう必要があります。苦痛が少なく、安全で質の高い内視鏡検査を提供し、がんの早期発見・早期治療につなげることを目指して、クリニックを地元・葛飾区に開業しました。

仕事へのこだわり

理念:一人でも多くの方に、安心して内視鏡検査を受けていただき、がんで苦しむ人を減らしたい

医師になりたての頃は、目の前の患者さんに全力で向き合うことに必死でしたが、がんセンターでの研鑽を通じ、より広い視点で、医療には何が求められているのかということを考えるようになりました。
研究や学会発表、機器開発に取り組む中で、常に自問自答したのが、自分が医療の中でやるべきことは何か?やりたいことは何か?という問いでした。その中で出した自分の答えが『一人でも多くの方に、安心して内視鏡検査を受けていただき、がんで苦しむ人を減らしたい』ということでした。

日々の忙しい臨床業務の中で、目標がぶれかけてしまうこともあります。しかし、そのたびに原点に立ち返り、内視鏡医として患者さんのために何ができるか、を見つめ直しながら、日々診療に取り組んでいます。
まだまだ道半ばですが、「掲げた理念に向かって熱意を持って働くことが仕事へのこだわりです」と胸を張って言えるよう努力しています。

若者へのメッセージ

30代後半の私が若者へ語るのはおこがましいかもしれませんが、一つだけ伝えたいことがあります。
社会で生きていくのは、決して一人ではありません。仕事も人生も、多くの人の支えがあって成り立っています。だからこそ、自分が誰かに助けてもらうように、周りの人を尊重し、手を差し伸べることが大切だと思っています。

「自分が何を得られるのか」と考える気持ちもありますが、「自分が何を与えられるか」を考えることで、仕事の本当のやりがいが見えてくることがあると考えています。私自身、これからも学び続け、社会での生き方を模索しながら前に進んでいきます。皆さんも、一歩ずつ、自分の道を築いていってください。