現在の仕事についた経緯
元々証券マンになろうと思ったわけではありませんでした。大学生の時、政治家を志しており、卒業後すぐ秘書になろうとした私に、当時の尊敬する先生が「世の中を知らずに政治家にはなれず、政治屋になってしまう。魂を燃やして働いて、それでも世の中を変えたければもう一度来なさい。」とおっしゃいました。そんな当たり前のことすら分からない未熟な自分が嫌で、当時一番厳しいと言われていた野村證券の門を叩き、自分を成長させようと思ったことがきっかけです。
その後、17年にわたり証券マンをやりましたが、業界の不都合な真実を知り、このままサラリーマンとして過ごすよりも業界に一石を投じて日本に貢献したいと思い、Fintegrity株式会社を立ち上げました。
仕事へのこだわり
私の仕事のスタイルを一言でいうと、「創造」と「行動」です。
常識というものがあまり好きではなく、この常識に何かをくっつけると面白いアイデアができないか、この発想を逆転してみたら見たことのないシナジーがあるのでは、と常に考えています。
金融という様々な業界を横断して物事を考えられる職業は向いていると思っていて、これはダメだと周囲が判断しても、突破口を見つけ案件を成約に導くという経験を数多くしてきました。私は天才ではないので、ゼロから新しい法則や考えを作ることはできません。ただ、既存のものをゼロベースで考えて、くっつけたり、離したりして、面白いものを作ることはできます。子供のまま大きくなった感覚ですかね(笑)。
もう一つは、情熱的な行動力です。若い頃はお客様になってほしい一心で会社の前を3か月掃除し続けたり、野村證券の伝統の巻紙に自分史を書いてお客様に送ったりするなど破天荒なことをしてきました。投資銀行部門に移っても、時にはお客様の上場会社のオーナーと涙を流しながら激しく議論したり、納得のいかない会社の指示を素直に聞かずにお客様のところに押しかけて夜通し解決策を練ったりと、普通ではやらないことをやってきました。
それは自分の出世などではなく、今この瞬間戦っているお客様と同じ立ち位置で真剣に仲間として戦いたいと思ったからこその行動でした。合理的な行動よりも非効率的な行動の方が人の心を動かします。どんな状況でもお客様と共に戦う姿勢を今でも大切にしています。
若者へのメッセージ
私は42歳という若者と諸先輩方の間の世代です。まだ起業しての経歴も浅く、皆様に偉そうに言う資格はなく、私自身も成長の途上にあります。
あえて私の立場でお伝えするのであれば、「本気で生きれば人生は面白いぞ!」ということだと思います。人生50年、夢幻の如くと言われますが、こんな素晴らしい時間を与えてもらったことに感謝しています。
本気で生きれば、本気の仲間が集まります。皆様の本気をぶつけるのにふさわしいフィールドも必ず整います。世の中を斜めに見ても面白いことはありません。今、この瞬間、有限の時を本気で生きていきましょう。心が奮い立つ瞬間、これがたまらなく、最高に楽しいと思えると信じています。
我々の世代よりも素晴らしい知識やテクノロジーのある世の中を生きる、今の若者の方が優秀なのです。自信を持って、歩んでいきましょう。