リーダーインタビュー
眞部達也
建ロボテック株式会社 代表取締役CEO兼社長 眞部達也 https://kenrobo-tech.com/

Profile

高校を卒業して調理師専門学校に進んだ後、レストランに就職。その後、父親が経営する専門工事会社に入社。建設現場の非効率性という問題を解決するため、2013年に前身のEMO株式会社を設立。現場の作業効率化を大きく変えるVバースペーサーなどの製品を開発する。さらに、4年を費やした「鉄筋結束トモロボ」の開発を機に2019年、建ロボテック株式会社へ名称変更。「鉄筋結束トモロボ」は2021年、公益社団法人発明協会主催「令和3年度四国地方発明表彰」で最高位の「文部科学大臣賞」を受賞。2022年、りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞主催「第34回 中小企業優秀新技術・新製品賞」でも同じく最高位の「中小企業庁長官賞」を受賞。

現在の仕事についた経緯

私も鉄筋工で、父が創業した鉄筋工事会社の二代目として、日々腰をかがめて結束作業をしていたのですが、土日はいつも仕事で、2人の子どもの学校の運動会に行ったことが一度もありませんでした。
厳しい労働環境、職人の高齢化、低賃金、若者の建設離れ……。「建設業界を変えなければ」。その思いがトモロボ開発の第一歩でした。

仕事へのこだわり

私が大切にしているのは、「売り手よし、買い手よし、社会よし」の三方よしの心を原点とした「現場主義」と「人を助ける技術」です。
現場で本当に困っている人の声を聞き、驚くような凄いものよりも感動をしてもらえる使えるものを提供し、目の前の儲けよりも社会に必要な課題解決を優先します。
ロボットは人を置き換えるのではなく、支える道具です。地方から、かっこよくて安全な“未来の現場”をつくることに全力を注いでいます。

若者へのメッセージ

私は長年、建設現場の「現場の声」を聞きながら、泥臭く、でも確実に、社会を支える技術を生み出してきました。そして今、「人が減っていくこの国でも現場は止められない」という課題に、テクノロジーと現場の知恵で立ち向かっています。
これからの社会をつくっていくのは、紛れもなく皆さん、若い世代です。でも、「何をしたらいいか分からない」「やりたいことが見つからない」そんな気持ちになることもあると思います。それでも大丈夫。最初から完成している人なんていません。私だって、今のような会社をつくるなんて、若い頃には全く想像していませんでした。
大事なのは、「世の中の困っている人に、自分の力を使ってみよう」という気持ちを忘れないことです。それがあれば、仕事も人生も、自然と意味を持ってきます。現場に行けば、本当に困っている人がいます。そこにリアルな課題があって、リアルな未来をつくれるチャンスがあるのです。
建設業やモノづくりに興味がある人はもちろん、「社会の役に立ちたい」「人のために働きたい」と思う若者は、ぜひ一度、私たちの挑戦を見にきてください。
皆さんと一緒に未来の現場をつくる日を、楽しみにしています。