現在の仕事についた経緯
前職では、電通にて仕事をし、コミケに参加した際にクリエイターと接する中で、彼らの熱気に感動をする一方、クリエイターが書いても書いても権利が買い取られてしまうことで、クリエイターさんのポテンシャルに対して、報酬が十分に守られていないことに疑問を抱き始めました。ただ、会社の組織の中で変革できることではないと感じたため、クリエイターの熱量、ポテンシャルを最大化させるためには自分が外で活動をして行く必要があると感じ、独立に至りました。自分自身、アニメなども好きですが何よりもクリエイターさんが好きなんです。
社内のメンバーもクリエイターさんのことがすごく好きで仕事をしているということが同じ方向性で頑張れている背景かと思います。
仕事へのこだわり
5期目までは資金調達を行ってきませんでしたが、会社の方針に共感していただける株主様との出会いを経て、弊社も5期目のタイミングで、資金調達を行い、成長フェーズに立っています。その一方で、創業時からの売り上げは5年間で年平均300%ずつの成長率を維持しているので、今後も3倍ずつ売り上げは成長させていきたいと考えています。その上で今PRの注力よりも、案件獲得数をとにかく増やし、業界のシェアを広げていきたいと考えています。
学生時代から、高校時代はスポーツと勉強の両立で、まさに文武両道をしており、スポーツではセーリング競技で日本代表になり、国民体育大会なども優勝の経験があります。その中で、大学は慶應大学に入学し、学業とスポーツに励みましたが、怪我によりスポーツを引退することとなった後に、何に注力をしようか考えたときに知り合いに誘われ、学生起業家としての歩みを始めました。会社の成長を肌で感じ、それを楽しいと思えた経験が、現在の会社の創業時の礎にもなっていると感じます。
私たち灯白社は、今後ますます「クリエイターと共に成功を分かち合う仕組み」を広げていきたいと考えています。現在のクリエイティブ業界では、たとえば年末の大型企画で1企画1億円、あるいは描き下ろしイラスト1枚に30〜50万円といった高額な報酬が支払われるケースもありますが、多くは買い取り契約です。つまり、企業側に権利が移り、その後の展開によってどれほど収益が上がっても、クリエイター本人には利益が還元されない構造が依然として主流です。
灯白社では、そうした従来のモデルに一石を投じ、クリエイターと個別に契約を結ぶことで、可能な限りコンテンツの権利をクリエイター側に残す仕組みを採用しています。初期売上は控えめかもしれませんが、再販・派生展開のたびにバックマージンが発生し、継続的に利益を生み出す“ストック型”のモデルを実現しています。
実際に、灯白社と関わりのあるクリエイターのSNS総フォロワー数は5,000万を超えており、その中にはフォロワー100万人以上のトップクリエイターも多数います。彼らは一度の投稿で数千単位の反応を得る影響力を持ち、受注仕事だけでも十分に成り立っている存在です。
しかし、私たちはそこにとどまらず、彼らの価値を“さらに引き上げていく”ことこそが灯白社の使命だと考えています。現在の「受注仕事中心」のビジネスモデルにとどまるのではなく、コンテンツの価値を中長期で育て、拡張していくことで、クリエイターが持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるはずです。
私たちの立ち位置は、まさにクリエイター業界における「ギャラリスト」や「キュレーター」、あるいは“ビジネスプロデューサー”のような存在。個展開催のサポートやグッズ制作のディレクション、さらには展示会の企画運営まで、多岐にわたるサポートを行うことで、個人クリエイター(イラストレーターや個人Vtuberなど)の可能性を最大化する役割を担いたいと考えています。
また、今後の展望として特に注目しているのが、「耳で楽しむ」エンターテインメント領域です。視覚コンテンツに比べて制作コストが圧倒的に低く(およそ10分の1)、その分クリエイターへの利益還元率が高くなることが見込まれます。声・音・空気感といった感覚でファンとつながることができるこのジャンルは、エンタメ領域に特化した灯白社にとっても大きな可能性を秘めた分野です。
私たちの目標は、一過性のバズではなく、数十億・数百億規模の成功を積み重ねられるクリエイターを一人でも多く輩出すること。クリエイターの価値を中心に据えた業界構造への進化こそが、灯白社の信じる未来であり、果たすべき使命です。
若者へのメッセージ
いま世界がめまぐるしく動いて社会の常識が大きく変わっている今、新しい可能性は常に日常に潜んでいると思っています。
私も代表として、これまでのやり方にとらわれず挑戦を続ける毎日です。
大きな夢を持つことも、小さな一歩を踏み出すことも、どちらも未来を創る立派なアクションだと感じます。
誰かと競うだけでなく、協力・共創することで生まれる力は計り知れません。ぜひ一緒に、より良い未来を築いていきましょう。