リーダーインタビュー
木下恭佑
株式会社Livetoon 代表取締役 木下恭佑 https://livetoon.net/

Profile

明治大学法学部卒業。新卒ではP&Gマーケティング部に入社し、APACチームにてSKⅡの戦略立案を行う。
退社後、海外向けVTuberの会社を設立し、2年半で売却。
その後、幾つかのスタートアップの立ち上げに従事し、現在はLivetoonの代表を専任。

現在の仕事についた経緯

幼い頃から漫画とアニメに心を奪われ、なかでも『NARUTO』の葛藤と成長は私のバイブルでした。
キャラクターの内面を紡ぎ出す行為は、人の心を動かし、形のない希望に輪郭を与える営みでもあります。確信を胸にVTuber事業を起業しましたが、創造した魂をより広く境界なく共鳴させるには体験の再構築が必要だと悟り、AIキャラクター事業へ舵を切りました。
物語とテクノロジーを融合し、国境も言語も越えて心を結ぶ舞台を求め、いまも日々の研鑽を糧に想像力の限界を破り続けています。

仕事へのこだわり

私の仕事へのこだわりは、大きく二つの軸で成り立っています。

第一は「結果絶対主義」です。幼い頃から打ち込んだサッカーが教えてくれたのは、汗や言葉の量ではなく、試合終了のスコアボードだけが評価を決めるという冷徹な事実でした。同じく夜更けまで読み耽った漫画やアニメも、最終的に語り継がれるのは視聴者の胸に残ったかどうかという一点のみです。そのため、事業でもKPIを徹底的に追い込み、数字と感動という結果以外は努力と呼びません。

第二は 「夢見る革新至上主義」です。時代を背負うキャラクターはいつも最先端の技術と高いクオリティの交差点で誕生します。音声合成と共に世界を驚かせた初音ミク、VTuber元年を切り拓いたキズナアイ、そして高度経済成長期の日本で未来への希望を体現したドラえもん。いま世界が求めているのは、AIが開く次のページに立つ新しい象徴です。私はその期待を背負い、最高水準のクリエイティブとAIを融合させ、国境も言語も越えて笑顔を連鎖させる舞台を築きます。

スポーツで培った日々のストイックなルーティンと、クリエイターとしての大胆な跳躍——この往復運動で「昨日より今日」を積み重ね、限界線を毎日更新する。それが私のSTYLEです。

若者へのメッセージ

私もまだ若者です——まずそう名乗りましょう。エンタメの現場にいると、次のブームや必需品はいつも十代や二十歳前後の小さなコミュニティから芽吹くと痛感します。彼らの“常識”が数年後、世界の“標準”になる。私たちはその鼓動を誰よりも近くで感じられる世代です。これを強みにしましょう。

先輩経営者の偉業からは徹底的に学びつつ、アイデアの自由度では私たちが一歩先を行く。友を増やし、教室やSNSで何が笑われ、語られているかを観察し、自分の好奇心で試す。知識は教科書より対話と体験の中にあります。
“面白い”を探す旅を続ける限り、次の時代は必ず私たちの手でつくられます。怖がらずに原点をさらけ出し、失敗をSNSで笑い話に変える胆力も若さ固有の資本です。

仕組みを学ぶことと仕組みを疑うことを同時に楽しんでください。昨日までただの遊びだったものを、今日からビジネスの企画書へ変換する柔軟性が、これからの市場を切り拓きます。
限界を決めるのは常に自分の心だけ。たとえ資金も肩書もなくとも、常識を凌駕する物語があれば、人も技術も後から集まります。焦らず、腐らず、想像力を鍛え続けましょう。