リーダーインタビュー
木野英明
合同会社GU経営総合事務所 代表CEO 木野英明 https://www.amay.jp/

Profile

大学在学中から士業事務所にて税務や労務手続きなどの業務に従事。その後ITベンチャーへ転じ、管理部長、内部監査室長、取締役CFOを歴任。現在は財務コンサルタントとして、社外CFO、起業家支援、経理DX支援などのコンサルティングに携わり、IPO支援、エクイティ調達のほかベンチャー企業のイノベーション推進に多くの実績を持つ。

【IPO実績】
2015年2月:株式会社ALBERT(東M 2022年上場廃止)執行役員最高財務責任者
2019年3月:株式会社Welby(東G 4438)管理部長→内部監査室長→外部支援
2024年10月:Hmcomm株式会社(東G 265A)取締役CFO

現在の仕事についた経緯

税理士事務所に就職し、30歳で経営コンサルタント会社へ転職するも挫折を経験しました。そこで出会ったのが「企業が成長し、上場を果たして次のステージへ」という世界観であり、私にとってはとても新鮮なものでした。
自身の経験不足、スキル不足を客観的に受け止めたうえで、外部支援ではなく、自社の上場に携わることの可能性に賭けてみようと決意し上場準備会社へ転職。そして、41歳のときにそれが現実となります。
上場を前提とした体制作りは、企業にとって一大プロジェクトです。多くの摩擦も生まれますが、それを乗り越えて、パブリックな会社に生まれ変わることを目の当たりにしたとき、この経験を若者にしっかりと伝えていくことが自分の役目であるとの思いを強くしました。

仕事へのこだわり

経営者と接する機会を、私は何よりも大切にしています。
私のキャリアのスタートは、専門家として経営者の方々とどのように向き合うか、関係性を理解することから始まりました。
簿記2級の知識だけで、業界未経験の自分が果たして役割を果たせるのか、そんな不安を抱えながらのスタートでしたが、周囲の支えに助けられ、1年後には何とか形になり、それが少しずつ自信へとつながっていきました。

経営者と向き合う中で私が強く感じたのは、知識やスキルだけでは本当の信頼関係は築けないということです。経営とは、数字だけでは語りきれない葛藤や覚悟、そして時には孤独をも伴うものです。専門家として寄り添うためには、単なる助言者である以上に、相手の想いや立場に心から共感し、同じ目線で考え抜く姿勢が不可欠だと、身をもって学びました。

もちろん、専門性を高める努力を怠るわけにはいきません。契約関係のもとに業務が成立している以上、成果に対する責任を持つことは当然です。
しかし、それ以上に大切なのは、「目の前の経営者が今、何に悩み、何を成し遂げようとしているのか」をしっかりと受け止めること。そして、単なるアドバイザーではなく、未来に向かって共に歩む“伴走者”であり続ける「覚悟」を持つことだと、私は考えています。

そうした経験を重ねるなかで、私の中には一つの想いが明確に育っていきました。
「本気の経営者を、本気で応援したい。」
この想いを胸に、初心を忘れず、これからも一人ひとりの経営者と真摯に向き合い、共に未来を切り拓いていきたいと思っています。

どれほど時代が移り変わっても、経営の本質は「人」であり、「想い」です。
その普遍的な原点を大切に、私自身も挑戦と成長を続けていきます。

若者へのメッセージ

イチロー選手の名言
『僕には野球の才能はありません。でも、続けることが出来ることを才能と呼ぶのなら僕にはその才能があります。』

自分を信じて、集中して、諦めることなく続けてみる。明日のゴール、一年後のゴール、十年後のゴールを目指す姿を明確にして、鍛錬を重ねていくことが成功に近づく鍵となります。

私は、30歳でベンチャー業界に飛び込み、そこで偶然出会ったIPO(新規上場)という仕組みやマーケット、各種専門家や利害関係者との皆様と常に真剣に向き合い、素晴らしいご縁にも恵まれ、本当に貴重な経験をさせていただきました。

スタートアップ・ベンチャー業界の成長は、日本全体の活力や国際競争力にも大きな影響を与えるとともに、テクノロジーの急速な進化やグローバル化の波を乗りこなすために、若い世代の柔軟な発想力とスピード感が不可欠です。
「挑戦」することは決して容易ではありません。失敗や壁に直面することがあっても、諦めることなく、信頼できる仲間と支え合いながら進み続けることこそが、本当の意味での「成長」につながります。
共に切磋琢磨しながら、よりよい未来を創り上げていきましょう。