リーダーインタビュー
寺門球江
パラリノベ株式会社 代表取締役 寺門球江 https://www.pallrenova.com/

Profile

大学卒業後、スタイリストオフィスに入社。スチール写真撮影のコーディネートの仕事に携わる。
1990年から約1年間、イギリスを中心にヨーロッパ各地を巡り、建築・文化・民族と絡めてインテリアの造詣を深める。
1992年、帰国後に独立起業、フリーランスのスタイリストとして活動。
2014年、夫が急逝し、15歳と12歳の子供を養育するため、固定給職の不動産会社に勤務。在職中に宅地建物取引士、インテリアコーディネーター等の資格を取得。
2017年、リフォーム・リノベーション業界に転向。
2024年、独立開業、元スタイリストの感性を活かしたデザインリノベーションの仕事を継続中。

現在の仕事についた経緯

長年スタイリスト(ファッション及びインテリア)の仕事を続けてきましたが、夫が亡くなり子供たちを育てるために不動産会社に入社しました。
子供たちの養育の目途がたったころ、自分自身が楽しくやりがいのある仕事をしたいと感じ、インテリア・リフォーム業界に転職を試みるも、すでに歳は53歳。通常はキャリア転職の歳であり、転職サイトに100社以上エントリーするも、53歳で業界経験ゼロの人材は書類審査で落ちまくり、やっと2社の面接にこぎつけました。キャリアがない分、インテリア・リフォーム関係で取れる資格はほとんど取り、面接では熱意が伝わったのか2社とも合格しました。
実務経験を積んで勉強したかったので現場主義の小さなリフォーム会社の方に入社しました。現場で熟練の職人さんたちに叱られながら現場監督として育てていただいた経験は私の宝であり、独立した今でも当時の業者さんたちにお世話になっています。

仕事へのこだわり

スタイリストの仕事とはクライアントの意向を正しく捉え、プロデューサーの意見に沿いつつ、現場全体の条件内で自分ができる最大限のコマーシャル効果を出すコーディネートをすることです。若い頃はそのようなチームプレーであることを無視して自分のスタイルを押し出すこともありました。
しかし経験を積んだ今、いくら自分のコーディネートが最高だと自分で思っていてもクライアントの意向にそぐわないものであれば、それは良いコーディネートではないということを学びました。
現在、インテリアコーディネーターとしてリフォーム・リノベーションの設計、プランを提案するにあたり大切にしていることは、お客様はクライアントであり、いくら最先端の流行のインテリアをご提示してもそれがお客様のライフスタイルにそぐわなければ、プロの仕事ではないということです。
100人いれば100通りの暮らし方があります。弊社はパラリノベのファンになっていただくのではなく、パラリノベが一人一人のお客様のファンになり、最大限に満足し笑顔をいただくことをやりがいとしている、そんな会社です。

若者へのメッセージ

私は49歳で初めて会社員となり、53歳で業界経験値ゼロで転職しました。そして、昨年還暦となり定年退職の年を迎えました。
前職は再雇用制度が整っており本人が希望する限り契約更新できるシステムでしたが、BtoBではなくBtoCで直接エンドユーザー様との仕事がしたかったのと、自己責任の上すべて自身で決定する代わりに自由度の高い働き方をしたかったので独立開業することを選びました。
“何歳の時に何を”と年齢を記載したのは、もしかしたら年齢を理由に何かをチャレンジすることを躊躇している人がいるかもしれないと思ったからです。
全ての人がチャレンジに踏み切ったほうが良いとは言いません。ただ、私自身、やってしまった後悔は今後繰り返さないという経験の一部になるけれど、やらなかった後悔は一生残ると思っています。
若い方たちは限りない可能性があります。怖くて勇気のいる選択をする場面がこれからいくつもあるかもしれません。
迷ったときは、少なくとも年齢は選ぶ理由の一つから外しても良いのかなと思っています。キラキラした毎日をひとりでも多くの方が過ごせるよう、陰ながら応援しています。