リーダーインタビュー
前田慎也
株式会社パーキーパット・デザインズ 代表取締役 前田慎也 https://perkypat.jp/

Profile

大阪府立工業高等専門学校専攻科卒業。大手電機メーカーを退職後、デザインを独学で習得し、デザイン会社勤務を経て独立。講師業と並行しながら実績を積み重ね、30代半ばより事業を拡大。
2023年に法人化。奈良を拠点に全国規模でデザイン制作を展開。

現在の仕事についた経緯

新卒で入社した会社で、若手でパソコンを扱えるという理由から、当時普及し始めていた自社Webサイトの制作を任されました。手探りでページを作るうちに、情報が形になり人に届く面白さに強く惹かれるようになりました。

独学でデザインを学び始めると、そこには唯一の正解がなく、発想次第で可能性が広がる世界があることを実感しました。もともと映画が好きで、ポスターデザインの構図や色彩が生み出す世界観に心を動かされてきたことも重なり、「クリエイティブを仕事にできるかもしれない」という高揚感が、デザインの道へ進む決意へと変わっていきました。

仕事へのこだわり

私は、クリエイターとしての意識を何より大切にしています。
近年、「デザイナーもマーケティング目線や経営目線を持つべきだ」といった主張をよく目にします。それ自体は間違いではありません。実際、マーケティングや経営の知識は、制作物をより効果的に届けるための重要な武器になります。

しかし一方で、そうした視点ばかりが強調されるあまり、本来クリエイターが持つべき「創造する力」や「楽しみながら生み出す感覚」が置き去りにされているように感じることがあります。合理性や正解を求めることに偏り、ワクワクする気持ちや挑戦する姿勢を失ってしまったクリエイターを見ると、少し残念に思うのです。

私は、まずクリエイターとして創造することに誇りを持ち、楽しく、夢中になれる制作意識こそが、良いクリエイティブの原点だと考えています。その土台があってこそ、マーケティングや経営の視点も本当の意味で活きてくる。順番を間違えてはいけないと思っています。

だからこそ、お客様にも「クリエイターと一緒に制作している」という体験を大切にしていただきたいと考えています。単なる作業の発注・納品ではなく、アイデアを出し合い、悩み、形にしていくプロセスそのものを共有すること。それが結果的に、より納得感のある、質の高い制作につながると信じています。

もちろん、仕事である以上、楽しさだけでは乗り越えられない場面もあります。それでも、クリエイティブの楽しさやワクワクを忘れずにいられることが、今もこの仕事を続けている理由であり、私の仕事へのこだわりです。

若者へのメッセージ

仕事には「辛い」「大変」というイメージがつきものです。実際にそう感じる瞬間もあるでしょう。しかし、仕事の中に小さな楽しさや手応えを見つけられるようになると、人生の質は大きく変わります。
不満があっても、視点を変えたり工夫を重ねたりすることで突破口が見えることもあります。すぐに辞めてしまう前に、一度「楽しさを見つける努力」をしてみることも大切です。

もちろん、どうしても見つからないなら転職も選択肢の一つです。40歳くらいまでは、挑戦はいくらでもできます。ただし、仕事を楽しめるようになるには、自分自身のスキルや精神的な成長が欠かせません。
私自身、30代半ばまでは収入も少なく、食べていくのに必死でした。積み重ねの中でようやく力がつき、仕事の面白さを実感できるようになりました。

人生のすべてが仕事ではありません。しかし、人生の多くの時間を仕事に使います。だからこそ、どう向き合うかが大切です。「楽しい人生を送るための仕事」という発想を持つことができれば、大人になることも悪くありません。ぜひ、自分なりの楽しさを見つける働き方をしてください。