リーダーインタビュー
四ツ井貴博
株式会社ロワール 代表取締役 四ツ井貴博 https://rowal.co.jp/

Profile

春日部共栄高校、城西大学経済学部を卒業。
新卒で印刷会社に営業職として入社。東京都・埼玉県エリアを担当し、新規開拓を主軸として活躍。埼玉県内一大きなイベント会場と新規契約を結ぶなど豊富な経験を積み、25歳で現在の仕事に携わるようになる。
現在は給食業を通じて、0歳から高齢者まで1日1万食の食事を提供し、食の安心・安全を届けている。

現在の仕事についた経緯

地元の印刷会社で営業をしていた頃、もっと人の役に立つ仕事はないか、東京に出て思いきり仕事をしてみたい——そんな思いを抱いていました。ちょうどその頃、家業を継いでいた兄から声をかけられ、入社を決意しました。

入社後は、朝4時に出勤し、午前中はお弁当工場での製造業務、午後は営業やその他の業務にあたる毎日…。GWやお盆、年末年始は休みなく働き、休めるのは日曜日だけという生活でした。振り返ると、1日の労働時間は14時間、年間休日は50日にも満たなかったと思います。

当時のお弁当業界は、「隣の畑はみな敵」というような厳しい競争環境にありました。当社が1食360円で提示すれば、他社は350円で提示する。金額で折り合わなければ、価格は据え置きのままサービス品を付けて契約を取る。いわば価格競争のど真ん中でした。売上は伸びても作業量ばかりが増え、利益が残らない、そんな状況が続いていました。

この「儲からない仕組み」から脱却し、安定した運営を実現するために、小中学校の学級給食への参入をはじめ、高校の学食、介護施設、こども園、障害者施設など、給食調理業務の分野へと事業を広げてきました。

仕事へのこだわり

給食として提供するその1食が、お客様にとっての“すべて”です。

1日1万食、各拠点では100~3,000食を調理しています。数が増えれば増えるほど、その1食を「数あるうちのひとつ」と錯覚してしまいがちです。しかし、お客様が口にする給食は、その日のたった1食。その重みを、私たちは決して忘れてはなりません。

美味しさや衛生管理はもちろんのこと、盛り付けの美しさや彩りひとつで食欲は大きく変わります。だからこそ、目でも楽しめる給食づくりを大切にしています。
小中学校の給食や高校の学食には、そこに「思い出づくり」という価値も加わります。給食で食べたソフト麺や揚げパンの味、学食で友人と囲んだかけうどんの温かさは、大人になっても心に残るものです。

幼稚園や高齢者施設では、栄養バランスに加え、安全性が何より重要です。一口で食べられる大きさか、飲み込みやすい形状か、誤嚥のリスクはないか。細部まで配慮した給食が求められます。さらに、アレルギー対応やイベント食の企画など、果たすべき役割は多岐にわたります。

もし調理が単なる「作業」になってしまえば、その1食の価値は失われてしまいます。
たとえ何万食をつくっても、お客様にとってはかけがえのない1食です。その一皿から喜びを感じていただき、午後への活力につなげていただけるように。給食の時間が楽しみになるように。私たちはこれからも、1食へのこだわりを持ち続けていきます。

若者へのメッセージ

若者の皆さんにお伝えしたいのは、「置かれた場所で花を咲かせる」ということの大切さです。

私自身、給食の仕事に憧れてこの道を選んだわけではありません。自分の本当にやりたいことは、そう簡単に見つかるものではないと思います。
しかし、不満を抱えたまま仕事をしていると、挫折や苦労に直面したときに「これは本当にやりたい仕事じゃない」「もっといい会社があるのではないか」と、環境や周囲のせいにしてしまいがちです。そうして転職を繰り返した結果、30歳を過ぎても自分の強みが何もないまま、知識だけが増えてしまう。そんな状態にもなりかねません。

たとえ最初は望んだ仕事でなかったとしても、与えられた環境の中で本気で力を発揮し続ければ、どこへ行っても通用する力が身につきます。その積み重ねの先にこそ、本当に自分がやりたいこと、そして自分にできることが見えてくるのではないでしょうか。
まずは、置かれた場所でしっかりと花を咲かせること。そこで自信と実力を積み重ねながら、社会人としての人生を歩んでいってほしいと思います。