現在の仕事についた経緯
スティーブ・ジョブズがiPhoneを発売したその日、世界が大きく変わったことを実感しました。その後、20年にわたるIT業界での経験を通じて、UI/UXデザインが企業成長に欠かせない要素であると確信するようになりました。しかし、以前所属していたZeppelinが経営不振により破産したことをきっかけに、自身のキャリアを見直す転機を迎え、35歳で女性起業家として独立する決意を固めました。
思いがけない失業からのスタートではありましたが、起業後の3年間で、ヤマト運輸やファミリーマートなどの大手企業をUI/UXデザインの観点から支援する機会に恵まれました。その過程で、UI/UXデザイナーの不足や女性Webデザイナーの収入の低さという課題に直面。現在では、女性のWebデザイナーをUI/UXデザイナーへと育成し、収入向上を支援する育成プログラムと業務連携支援を行っています。
仕事へのこだわり
私のキャリアは、常に「女性としてどのようにキャリアを形成していくべきか?」という問いを抱えながら進んできました。男性に勝ちたいという気持ちよりも、女性にも必ず活躍できる場があるはずだと信じ、真摯に目の前の仕事に取り組んできました。この信念を貫いた結果、性別に関わらず、自分らしいキャリアの成長を実現できたと感じています。
新卒で入社したエリクソン・ジャパンでの経験は、私にとって大きな転機でした。エリクソンでは、スウェーデンの男女平等がしっかりと根付いており、20年前から女性が管理職として活躍するのが当たり前でした。私が入社した当初から、女性の管理職が身近にいて、その姿勢や行動を直接見て学べる環境がありました。この経験は、私にとって大きな励みとなり、女性がキャリアを築く道筋を実際に目の当たりにしたことで、自信を持って自分のキャリアを積み重ねていく力を与えてくれたと感じています。
その後の転職先でも、国際的なチームと共に働く機会を得、さまざまな文化や価値観に触れながら、自身の成長を追求しました。これらの経験を通じて、女性としてキャリアを築くためには、自分自身がその道を信じ、行動し続けることが最も重要だと実感しています。
女性の可能性は無限大であり、その力を最大限に発揮するためには、まず自分を信じ、そして活躍できる場を積極的に作り出す意識が不可欠だと確信しています。
若者へのメッセージ
新しい世代にとって最も重要なのは、自分自身を信じて挑戦し続けることだと感じています。社会や周囲の期待に応えようとするあまり、時には自分の本当の気持ちを犠牲にしてしまうことがあるかもしれません。しかし、長期的に見れば、自分が本当にやりたいことに真摯に向き合うことが、最も確実な成功へと繋がると私は確信しています。
重要なのは、「本当に好きなこと」をどうやって見つけるかということです。その答えは、自分が24時間365日無意識に考え続けることに気づき、それを深く掘り下げていくことです。その情熱を注ぎ、効果的に努力することで、必ず次のステップに進むことができます。
昨今、個々の多様性が認められる一方で、「自分には個性がないからダメだ」と感じて自信を失うことが増えているように感じます。自信を失っているとき、何でもいいから頑張って努力すればどうにかなるかもしれないと思いがちですが、努力の方向が間違っていると、その努力は無駄になってしまいます。自分の心に向き合い、正しい方向に挑戦し続けることで、努力は報われます。ぜひ覚えておいてください。