現在の仕事についた経緯
医学部に進学した当初から、女性として“女性の人生に深く関わる診療科”に携わりたいと考えていました。乳がんは女性のがん罹患率の中で最も多く、特に家庭や仕事の中心となる40代以降に発症することが少なくありません。
研修医時代、小さなお子さんを残して乳がんで亡くなられた患者さんを担当し、命だけでなく、その先にある家族や生活を支える医療の重要性を痛感しました。この経験が、乳腺診療を生涯の仕事として選ぶ大きなきっかけとなりました。
仕事へのこだわり
約20年にわたり、大学病院で乳がんの検診・診断から手術、薬物治療、さらには緩和医療まで、多くの経験をさせていただきました。大学病院では多くの患者さんを外来で担当する一方、診療時間に制限があり、一人ひとりと十分に向き合えないことに葛藤を感じる場面も少なくありませんでした。
乳がんは治療だけでなく、仕事や家庭、将来への不安など、患者さんの人生全体に大きな影響を及ぼす疾患です。そのため、医師としてもっと丁寧に話を聞き、納得のいく形で治療を選んでいただける環境をつくりたいと強く思うようになりました。
こうした思いから開院したクリニックでは、検診、診断、治療、術後の経過観察までを一貫して担当できる体制を整えています。また、必要に応じて私自身が手術を執刀し、術前から術後まで責任を持って診療にあたっています。
さらに、乳がん術後に悩まされることの多いリンパ浮腫に対しても、専門的なケアを提供できる施設として対応しています。患者さんが抱える不安や悩みは一人ひとり異なります。その声に丁寧に耳を傾け、その方に合った医療を提供することで、安心して長く通っていただける乳腺専門クリニックであり続けたいと考えています。
若者へのメッセージ
医師にとって何より大切なのは、知識を高め続け、技術を磨き続ける姿勢です。医療は日々進歩しており、立ち止まることは後退を意味します。
私が大切にしている言葉に、「夢なきものに理想なし、理想なきものに計画なし、計画なきものに実行なし、実行なきものに成功なし、故に夢なきものに成功なし」というものがあります。医師として長く歩み続けるためには、忙しさの中でも自分なりの夢を持ち続けることが、何よりの原動力になると感じています。
私の今の夢は、一人でも多くの乳がん患者さんを、肉体的にも精神的にも支え、救うことです。その実現のために、知識や技術を磨き続けることはもちろん、患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添った医療を実践したいと考えています。
皆さんもぜひ、自分自身の夢を大切にし、それを道しるべとして歩み続けてください。

