リーダーインタビュー
鶴見志歩紀
株式会社Long Slow Distance 代表取締役 CEO 鶴見志歩紀 https://www.longslowdistance.co.jp/

Profile

明治学院大学国際学部卒業。新卒で都内コンサルティング会社に入社し、経営者の頭の中にある未整理の構想を言語化・構造化して成果に繋げる経営支援に従事。また、人材開発としても社内トレーナーや採用戦略に関わる一連の業務を経験。
のちに株式会社Long Slow Distanceを創業。「変えたい未来があるヒト・組織を支援する会社」を掲げ、中小企業やベンチャー企業を中心に、人事を起点とした伴走型コンサルティングを展開。理念設計から人事制度の構築、人材育成プログラムや社内トレーナーの育成、採用戦略立案から面接設計までを一気通貫で担い、組織づくりと事業成長を同時に前に進める支援を行う。
特に得意としているのは、経営者が本音を打ち明けづらく、構造変革の難易度が高いテーマや数年単位で取り組む長期プロジェクト。短期的な打ち手に終始するのではなく、組織の前提や思考様式そのものに働きかけながら、時間をかけて変化が定着するプロセスを設計・伴走するスタイルを専門とする。
現在は一児の父として、仕事と人生の両立もまた一つの実践テーマとしながら活動している。

現在の仕事についた経緯

中小企業の社長をもっと元気にしたいと思いました。本当に素晴らしい技術やサービス、そして顧客や仕事に向けた誠実な想いを持つ中小企業が数多く存在しています。にもかかわらず、不確実性の高い事業環境の中で、その価値を十分に発揮できていない企業も少なくありません。
私は、その背景にある最も根深く、かつ解決が難しい「人の問題」に向き合うことで、この状況を変えたいと考えました。多くの企業で課題となっているのは、単に人手が足りないことではなく、組織の力を最大限に発揮させる環境づくりがやりきれていない点にあると感じています。
人の力が正しく発揮される文脈を整えれば、売上・組織・そして企業の未来は連動して良くなっていく。その確信をもとに事業を立ち上げ、現在の仕事に至っています。

仕事へのこだわり

一つ目は、社長のやりたいことを、社長以上に信じることです。
経営者は孤独な存在であり、構想があっても現実との折り合いをつけなければならなかったり、時には自分自身の判断さえ信じきれなくなったりする瞬間があります。だからこそ、ここが支えどころだと考えています。たとえご本人が揺らいでいる時であっても、「それは実現できる」「その未来には意味がある」と言い続ける。その役割を引き受けることには、強いこだわりがあります。

二つ目は、品質の高いものをつくることです。
大量生産やテンプレートに頼るのではなく、ブティック型の強みを活かし、ほぼスクラッチに近い形で向き合っています。そのために最も大切にしているのが、課題抽出のプロセスです。社長と対話する際も、表に見えている問題だけでなく、その奥にある前提が本当に正しいのかを確認することに手を抜かない。この姿勢にはこだわっています。

三つ目は、世の中の役に立つ仕事をすることです。
短期的に儲かるかどうかよりも、長い目で見て社会全体にとって健全かどうかを判断基準にしています。人を消耗させる仕組みや、誰かを置き去りにする成功には加担しません。正しい倫理観のもと、胸を張って語れる仕事を選ぶことを大切にしています。

若者へのメッセージ

どんな人生を生きたいかにもよりますが、二十代のうちに自分の心が揺さぶられる仕事の領域に出会えたなら、それは一生ものの財産になります。だからこそ、いろいろなことに挑戦し、思い切り頑張ってほしいと思っています。

新卒採用に関わってきた経験の中で、「やりたいことがわかりません」という声をよく聞いてきました。ただ、最初から正解に辿り着く必要はありません。むしろ、さまざまな環境に身を置き、責任を引き受け、違和感や失敗を経験することの方が大切だと感じています。遠回りに見える時間ほど、自分の輪郭をはっきりさせてくれるものです。焦って近道を選ぶよりも、歩幅を整えながら進んでいけばいいと思います。

そして、できるだけ面白い人と仕事ができる環境は、意識して整えたほうが良いです。知識やスキル以上に、人から受ける影響は伝染します。自分の仕事に対する覚悟が決まっていて、人生そのものを謳歌している人のそばにいると、不思議と自分の背筋も伸びてきます。最初のうちは、そうした人たちに会いに行くことをおすすめします。