現在の仕事についた経緯
2014年10月から2017年3月までアフリカに滞在し、自分の価値観を根底から変えるような経験をすることができました。
支援のためにカメルーンへ行きましたが、そこで痛感したのは、「支援ではなくビジネスで関わることでこそアフリカの発展に寄与できる」ということでした。
また、協力隊の縁で東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会に入り、そこでアフリカ全土に知り合いができました。
アフリカに行ってから一貫して「アフリカのために何かをしたい」という思いで活動をしてきましたが、結局は“アフリカにしてあげられたこと”よりも、“してもらったこと”のほうがよっぽど多かったと感じています。
こんなにお世話になったアフリカに恩返しをしたいと思い、この仕事を選びました。
仕事へのこだわり
一番気をつけているのは、「これをやることで誰がどう喜ぶのか?」を常に考えることです。今の仕事で言うと、「どうアフリカに貢献できるか?」です。弊社の事業は全てこの考えが根底にあります。
特に貢献したいアフリカの課題は「雇用創出」と「収入の向上」です。「この事業をすることで誰にどんな雇用を作ることができるか?」「誰の収入を増やすことができるか?」この問いを常に自分に投げかけ続けています。
日本でアフリカの話をすると、
・危ないんじゃないの?
・全員マサイ族みたいな感じなんじゃないの?
・ホテルとか泊まるところなんてあるの?
など、色々な意見や質問をいただきます。
私は、いい意味でそんな常識を打ち壊せる自信があります。
初めてアフリカに降り立った時の感動や興奮、ビジネスとしてのポテンシャル、アフリカの人々のエネルギーをみなさんにも感じて欲しいです。
私はアフリカに人生を変えてもらいました。そんなアフリカにも、人生を変えたいと思っている方がたくさんいます。
日本の皆さんにまずはアフリカを見てもらう、ポテンシャルを感じてもらう、何か始めたいと思ってもらう、行動してもらうというステップを踏むことで、アフリカには雇用ができます。
雇用ができると所得が上がって、消費が増えます。消費が増えると、ここで商売をしたい、と思う人が増えて一気に経済が変わります。
何十年も支援を続けてきて分かったのは、“何も変わらないという事実”に現地の人も疲れ始めているということです。「支援もありがたいけどビジネスをやりたい」という声も多くいただきました。そんなアフリカの皆さんの期待に応えることが、自分の今のミッションだと思っています。
若者へのメッセージ
偉そうにアドバイスをできる立場ではありませんが、一言だけ。
「何かをやるかやらないか」で迷ったらとりあえずやってみるといいと思います。
私も、協力隊の合格通知が来た時、行くかどうかめちゃくちゃ悩みました。
そんな時、協力隊に行って帰ってきたばかりの先輩の話を聞く機会があり、「1%でも行きたい気持ちがあれば絶対に行ったほうがいい」というアドバイスをいただきました。60%くらいは行きたい気持ちがあったのでその言葉を信じてカメルーンに行きました。
結果的に、人生を変える経験となり、それがきっかけでオリンピックの仕事もできて、その経験を活かして今は自分の事業をしています。協力隊に行っていなかったら、今の自分は絶対にありません。
それ以降、「迷ったらやる」と決めて動いていますが、その結果人生が好転する経験がたくさんありました。100%やりたくないことはやる必要がないと思いますが、「1%でもやりたければやる」はある程度正しいなと感じています。
皆さんが「やるかやらないか」で迷うとき、多くの人が同じように「やるかやらないか」で迷っているはずです。そして大多数の人は「やらない」方の選択を取ります。
「やる」という選択をするだけで、大多数の人より一歩前へ進むことができますよ。

