SDGs
田中政宏
株式会社Augusta / 陽〜はる〜訪問看護ステーション 営業統括本部長 田中政宏 https://www.haru-houmonkango.com/

Profile

営業として訪問看護の業界に携わり6年経過している。

仕事へのこだわり

もともと営業畑ということもあり、営業は“物売りではなく自分売り”であると思っています。
効率的なアプローチはICTの活用でも十分にできる時代となり、一昔前と比べると体育会系のような捉えられ方は少なくなってきたようにも感じますが、医療分野や福祉の業界においてはまだまだアナログな側面があります。
それは患者も医師も看護師も、退院後の環境を調整するソーシャルワーカーも、在宅での環境を助ける我々のような訪問看護も、ヘルパーも皆「人」だからです。
人が見えないと依頼ができない。人が分からないと信頼ができない。それは命が関わっているからです。
だからこそ、在宅医療の現場においてはアナログな営業が1番の効果を発揮します。ただし冒頭で述べた通り、説明員ではなく、自分売りという視点を持たねばなりません。そこが1番難しいと感じます。
顔を覚えてもらう。月に一度は立ち寄る。それが目先の1件ではなくいつかの1件に繋がるのです。調整に困っていれば、自社の利益にならなくとも他社の在宅医療を繋げて支援体制を完成させる。いわば御用聞きです。
このように、“必ず支援する”という信頼を浸透させることが知名度につながると考えます。

若者へのメッセージ

在宅医療の現場はまだまだ逼迫しています。訪問看護ステーションの立ち上げ件数は年々増加していますが、その反面、同水準で廃業件数も増加の一途を辿っています。
訪問看護は法人格さえ有していれば看護師資格がなくとも開業できるため、参入のハードル自体は決して高くありません。しかしながら、在宅での支援を必要としている方は年々増加傾向にあるのです。これは「自宅に帰りたい」という思いがあることに加え、在宅医療という概念が社会に浸透してきたことがその背景にあるからです。
最終的に残っていくのはやはり臨床が素晴らしい事業所です。関係する事業所を通じて評判が伝わり、やがてそれが医療現場での信頼関係の構築につながります。私共も、誰もが当たり前に看護を受けられる社会の実現を目指して、日々臨床現場に臨んでいます。
会社の経営目線で言うと、とても難しく、売上の約6割が人件費となる厳しい業種ではあるものの、利用者獲得のハードルさえ越えることができれば事業として非常に面白い側面もあります。
在宅医療に興味がある方の挑戦を心から応援しています。