リーダーインタビュー
林紀彦
株式会社NOLKA 代表取締役 林紀彦 https://nolka.jp/

Profile

NTT東日本、リクルート、日本M&Aセンター、LIFULLにて、事業推進・人材開発・組織改革に関わる要職を歴任。
経営と現場の双方に精通した視座を持ち、企業成長の根幹となる「人と組織」の在り方を一貫して探求してきた。
2023年、株式会社NOLKAを設立。経営戦略と人事戦略を接続するコンサルティングを軸に、組織開発およびリーダー育成の支援に取り組んでいる。
理論研究の知見に加え、事業会社での人事・営業・企画など多面的な実務経験を背景に、理念にとどまらない「実装可能な変革」を実現。
経営層から現場リーダーに至るまで幅広い層と向き合い、長期的な成長が循環する組織づくりを支援している。
また、三姉妹の父として育児と仕事の両立を実践し、多様でしなやかな働き方を社会へ提唱している。

現在の仕事についた経緯

株式会社NOLKAでは、「人と組織の上昇気流を起こす」をテーマに、経営と人事の共創を支援しています。
主な領域は、経営人材の育成、サクセッションプランの設計、理念浸透および組織開発などです。特徴は、“人の内側の変化”と“組織の構造的変化”を同時にデザインする点にあります。
制度や仕組みの整備にとどまらず、「人が誇れる組織」をつくることを目的として、企業の未来像をともに描いています。
私たちは、変化を個々人の努力に依存するのではなく、“構造や関係性の設計”から実現することを重視しています。
組織に流れる思考や行動のパターンを再構成し、企業が自走的に成長し続けるための仕組みを整えること。それが私の仕事です。

仕事へのこだわり

私にとっての「組織づくり」とは、単に仕組みを整備することではなく、人の意志を取り戻すことです。
NTT東日本で法人営業に携わった頃より、どれほど優れた制度や仕組みであっても、人の納得や共感がなければ機能しないことを痛感してきました。
リクルートにおける人材育成・組織開発、日本M&AセンターでのPMI(統合支援)の経験を通じて、経営の合理と人の情理をいかに両立させるかが、自身の探究テーマとなりました。
LIFULLでは、人事として制度と文化の両面を設計し、組織が成長していくプロセスの深さと精度を学びました。
現在はNOLKAにて、「思考と形のデザイン」を土台に、理念・構想(思考)を言語化し、制度・仕組み・文化(形)として実装する取り組みを行っています。
組織を動かすのは、“共感から立ち上がる意志”であり、その意志を引き出す場・関係・構造を設計することが、私の仕事の中核です。
私は「組織課題の多くは、個人の問題ではなく構造の歪みである」と考えています。
能力やモチベーションの問題に見える現象も、その背後には役割の曖昧さや意思決定構造の不整合が存在します。だからこそ、個人の努力に依存せず、構造の再設計から変化を生み出すことを重視しています。
私たちの支援は、制度や戦略をつくること自体が目的ではありません。
それらを通して、人がどのように考え、どのように選択し、どのように誇りを持って働くかまでをデザインすること。組織が“自然と前進する状態”をつくることに、コンサルティングではなく「デザイン」としての意味を見出しています。

若者へのメッセージ

仕事において大切なのは、「正解」を探すことではなく、自分の感受性を信じる力を持つことだと考えています。
社会に出れば、効率や成果が重視されがちです。しかし、人を動かす原動力は、結局のところ“感情”と“信頼”です。
自分が何を感じ、どこに違和感を覚えるのか。その小さな揺らぎを丁寧にすくい上げることが、キャリアの輪郭を形づくる最初の一歩になります。
正しさよりも「誠実さ」を。速さよりも「深さ」を。目の前の経験を咀嚼し続ければ、道は思わぬ方向へと拓けていきます。
誰かの正解ではなく、自分の美意識で選び取ることが、未来を創る力になるのです。
また、どのような役割にあっても、「自分なりの問い」を持つことを忘れないでください。
問いを持つ人は、環境が変わっても成長を続けられます。逆に、答えばかりを探す人は、変化に振り回されてしまう。
今は、正解を当てる時代ではなく、問いを磨き続ける時代へと移りつつあります。
うまくいかない時こそ、「なぜこの経験が自分に与えられているのか」と一度立ち止まってみてください。
迷いや痛みの中には、必ず次の成長の種が眠っています。焦らず、誠実に、自分の軸を育て続けてほしいと思います。