リーダーインタビュー
久保悠貴
合同会社samasama 代表 久保悠貴 https://samasama.site/

Profile

土木・建築技術者として発電所建設会社(重工業企業、再エネ企業)に従事。2020年にDX・SDGsコンサルタントにリスキリングし、独立開業。2023年に法人成りし、合同会社samasamaを設立。「誰ひとり取り残さない世界」の実現に向け企業の変革に伴走支援している。DX認定取得。サーキュラーエコノミーに関する産官学パートナーシップ会員。

現在の仕事についた経緯

学生時代にアフリカの飢餓問題を知り、社会貢献を志したいと思うようになりました。
火力発電所に従事中、環境保護団体との接触を機に、火力発電を要因とした環境汚染・健康被害の実情を知りました。その後、IEAが発行する報告書等に基づいて世界のエネルギー事情を一年間研究し、転職。メガソーラー事業に携わる中、SDGsが掲げる経済・環境・社会のバランスの必需性を認識しました。
再エネ企業に加え、SDGs専業企業にも事業開発職として関わるものの、性別を理由にした賃金格差の慣行や、林地開発に伴う土砂災害リスクの軽視などに失望しました。以後、多くの企業に経済合理性以外の関心を持ってほしいと考えました。
SDGsの取組みにITを用いたところ、例として、作業時間が5分の1に縮小、国外への活動機会が大幅に拡大という実績が出ました。これに希望を抱き、DXとSDGsを融合した「伴走型支援」で社会課題解決に挑む道を選びました。

仕事へのこだわり

一つ目は、「変わりたい」と決意した企業に対し、スピード感と成功率を両立させてサポートすることです。
トップダウン×ボトムアップの最適な接点を探しています。トップ(経営層)からボトム(現場)への指示では、経営判断を誤りやすいです。従業員エンゲージメント、すなわち従業員の貢献意欲も下がりやすくなります。経営層の意向を咀嚼して現場と繋ぐ、中立な立場としての役割を担うようにしています。
また、お客様のプロジェクトチームが意見を出し合い、年齢や経験問わず公平に議論できる場(ワークショップ)を提供しています。意見する機会を持ちにくい従業員が臆することなく話すためには、会議形式ではない方が良いケースもあるのです。

二つ目は、自分の評価より顧客の評価が大切だということを忘れないようにすることです。
経営者には相談相手がいない場合が多いため、従業員に言えないことでも自分には相談してもらえるように、対話を大切にしています。そうすることで、潜在課題(見えない課題)を発見することにも繋がりやすくなります。

三つ目は、伴走型で支援することにより、将来的に外注に頼らず課題解決・目標達成できるようにお客様を誘導することです。
不必要なまでに時間をかけて、多額の費用を取られてしまうのではないかというコンサル業への先行イメージを払拭し、自分側が固定観念に捉われることなく支援内容に柔軟性を持たせることを心がけています。

メディアアーティスト落合陽一氏が提唱するWork As Life(仕事を通じて人生を充実させる)を常に意識することで、仕事に対する情熱を持ち続けています。

若者へのメッセージ

多くの会社にはそれぞれのビジョンがあり、求職者はそこに魅了されることも多いです。そうして、会社の一員として働いているうちに、違和感を抱くことがあるかもしれません。かつて自分も、この会社で一生働いて良いのだろうか?自分の中の社会貢献は実現できるのか?と幾度となく葛藤しました。

もがきながら、会社に対する違和感の原因をネット等で調べてきました。すると、葛藤のたびに新しい選択肢が増えました。長い年月を費やしましたが、かつての夢は今もなお膨らみ続けています。費やした時間の分、努力は形になっていきました。若い方たちには、自由な時間や体力があることに気付いてほしいですし、将来のあなたが納得する目標に向かって進んでほしいです。

働き方に迷ったとき等は、職種に拘らない選択肢も持ってみてください。1つの職種に卓越したプロフェッショナルとなる道も当然、素晴らしいです。もし、2つの職種のプロフェッショナルになることでそれぞれの分野で得た知識や経験が掛け合わさり、誰も考えつかなかったことを思いつくかもしれません。キャリアチェンジして、いっそのこと10の職種に挑戦できるならば、きっと楽しいですし、未知なる専門性を得ることにもなるでしょう。
このように、ジョブホッピングは良い結果を生み出すこともあります。いかなる業界、いかなる仕事でも本質を慎重に見極めて挑戦を続けてほしいです。