リーダーインタビュー
陳紀洋
株式会社ISSHIN 代表取締役 CEO 陳紀洋 https://www.isshin-gym.co.jp/

Profile

京都大学経営管理大学院卒業、MBA取得。新卒で某大手金融機関に入社し、海外株式のアナリスト兼ファンドマネジャーに5年間従事。その後、スタートアップ企業に転職し、数々の起業家やVCとの対話に触発され、「日本人の健康リテラシーの底上げ」を目的とした卒業型パーソナルジムの経営で創業。現在は、より社会的インパクトを高めるため、卒業型のオンライン食事指導などの新規事業を構想中。

現在の仕事についた経緯

ファンドマネージャーとして数多くの業界や企業を分析する中で、顧客に寄り添うヘルスケア企業の価値に惹かれていました。その後、「日本の成長産業を加速させ、もっと社会に貢献したい」との想いからスタートアップ支援の世界へ。そこで起業家たちの原体験や事業にかける熱い想いを日々浴びるうちに、「自分自身が本当に成し遂げたいことは何だろう」と強く自問するようになりました。

そんな折、私自身が30代を迎え、心身ともに疲弊しきってしまいました。藁にもすがる思いで訪れたパーソナルジムで、一人の素晴らしいトレーナーに出会いました。トレーニングや食の見直しを通じて外面が変わり、トレーナーから元気をもらうことで自信がついて内面も前向きになり、そして「新しい夢にチャレンジしたい」とさえ思えるようになったのです。この劇的な成功体験が、私の人生を大きく動かしました。

「この感動を一過性で終わらせたくない」。起業家たちから受けた刺激と自身の原体験が結びつき、「トレーニングを通じて誰もが自身の力で理想の体を維持できる“自走力”を身につける場を作りたい」という強い想いが生まれました。その想いを形にしたのが、「卒業」を前提に健康リテラシーを高めるパーソナルジム『Me-Mott』なのです。

仕事へのこだわり

私の仕事の流儀は、金融の世界で培われました。特にファンドマネージャーとして海外の超大手企業の経営陣と対峙する中で、臆せず本質を問う「質問力」、そして物事を10年、20年先まで見通す「長期的思考力」が徹底的に鍛えられました。この二つが私の仕事の原点です。

その後スタートアップ支援に携わり、事業を通じて社会課題に挑む起業家たちの熱量に触れたことで、大きな転換点が訪れます。金融で培ったスキルを、数字のためでなく「誰かを幸せにする」という目的のためにどう使うか考えるようになりました。私のスタイルは、この時から「目的を達成するための最適化」へと進化しました。

現在の事業では、この二つの経験が融合されています。私自身が健康と本気で向き合った際、ファンドマネージャー時代に培った「質問力」を自分自身に向け、健康リテラシーを徹底的に追求しました。そして、人生における最良の初期投資は「正しい健康知識」だと確信したのです。

だからこそ私たちのジムでは、お客様の貴重な時間とお金を無駄にせぬよう、最短での目標達成を設計しつつ、その先にある人生100年時代を見据えた「健康リテラシー」という一生モノの資産形成をサポートします。トレーナーがお客様と向き合う時間を最大化するため、私自身もAIなどの最新技術を駆使して事業の非効率をなくし、お客様一人ひとりの未来にコミットしています。

若者へのメッセージ

「何かを始めたい、でも自信がない」。そう感じているなら、それはとても自然なことです。私自身、安定した世界から未知の領域に飛び込む時は不安でいっぱいでした。しかし今、確信を持って言えるのは、「やらなかった後悔」こそが人生最大のリスクだということです。

少しでも心が動いたなら、まずは飛び込んでみてください。失敗してもいい。その一つひとつの経験が、本当にやりたいことを見つけるための、何よりの羅針盤になります。私にとってのそれが、心身がボロボロの時に出会ったパーソナルトレーナーでした。

皆さんの可能性は無限大ですが、それを解き放つ資本は、心と身体の健康に他なりません。どんな挑戦をするにも、土台がなければ高くは飛べないのです。自分という最高の資産に、若いうちから投資してください。あなたのその一歩が、未来を大きく変えるはずです。