リーダーインタビュー
小野伸和
ホワイトハット株式会社 代表取締役 小野伸和 https://www.whitehat.co.jp/

Profile

専門学校を卒業後、情報通信系の企業で法人営業を担当する。その後、ソフトウェア開発やITサービスを提供する情報処理系の企業でのソリューションの新規立ち上げ、プロジェクトマネジメント業務などを経て、楽天証券株式会社に入社。情報セキュリティの維持管理および運用改善、情報漏えいの防止対応や業務委託先のセキュリティ監査などを担当する。2023年にホワイトハット株式会社を設立し、代表取締役に就任する。

現在の仕事についた経緯

もともと20代の頃に、「ゆくゆくは起業したい」という想いをもっていました。そして、前職で組織における情報セキュリティ対策にかかわる中、「こうした支援を必要としている会社は多いだろう」と考えました。
社会のデジタル化が進むことで、組織のあらゆる情報がデジタルでつながり、企業には「デジタル資産を守る」という社会的責任が生じます。しかし、「投資対効果が見えにくい」という理由から、企業における情報セキュリティ対策は後回しにされがちな状況です。結果、情報漏えいを招いてしまい、株価が急落したり、経営陣が交代したりする例が後を絶ちません。
そこで、世の中にある企業の情報セキュリティ対策の支援を行えば、大きな社会貢献につながるだろうと考え、起業に至りました。

仕事へのこだわり

私は就職氷河期世代なので、もしかするとその当時の特徴であるのかもしれませんが、私が社会人になった当時は「未経験でもやる気があれば受け入れてくれる」「研修でスキルアップする機会が設けられている」というような組織は少なく、基本的には入社したら、「何ができるのか?」「どうやって結果を出すのか?」ということを会社から求められ、その答えを自分で考えて行動しながら探していく必要がありました。そのときの経験が現在の仕事のベースにあります。
やりたいという熱意があるならば、わからないことにでも、とにかく行動してやってみるようにしています。そして、行動を振り返って次のアクションを考え、またトライをしてみます。上手くいったことはどうしたら再現できるかを考え、より良い成果へ繋げていきます。愚直かもしれませんが、そのようなことをひたすら繰り返していました。
現在はITツールや過去の知見を活用することや、周囲から情報をインプットして効率良く仕事を進めるように意識はしていますが、仕事における成功=お客様の満足という意識に変化はありませんので、お客様毎に異なる正解を導き出すための姿勢というのは、当時と変わっていないと思います。他責にせず、積極的に行動し、結果を受け入れて次へ繋げていくことを大切にしています。

若者へのメッセージ

これからの日本は我々世代が創り、支えていきます。しかしながら日本のGDPは停滞し、実質賃金は上昇せず、世界企業の時価総額トップ50社のうち日本企業はトヨタだけ、政府は老後資産を個々人で準備するよう促すなど、なかなかのタフな時代を生き抜いていかなければなりません。
しかし悲観することはなく、そのような社会だからこそ、自分らしく生きていくための多様な選択肢があり、自分の得意分野を磨きさえすれば、自分が望む人生を歩みやすくなってきています。
いまの若い世代にいる方々には特に、「自分の得意分野に磨きをかける」ことに集中してもらいたいです。時に周りの人とは違う道を進むことになるかもしれませんが、自分の行動が最終的には結びつくことを信じ、臆することなく挑戦してください。