現在の仕事についた経緯
私が日本生命を辞め、M&Aの世界に足を踏み入れた頃、現在のような「誰でも彼でもM&A」ではありませんでした。異常な天才がゴロゴロいて、世界観がひっくり返ったのを覚えています。トップエリートが寝食を忘れ激務をこなす中で、結果を出さなければ生き残れない過酷な環境でした。良くも悪くも「いかに大きな案件を獲得し、大きな収益を上げるか」が競われる世界でもありました。
2010年ごろからは事業承継問題に対応した「零細M&A仲介」が急成長し、世間の「M&Aに対するイメージ」が急激に変化し始めました。ここでは効率的に売主(創業オーナー)に会社を売らせ、買主(中小零細企業)に買わせるという「効率重視」の側面が強く、時に倫理的に問題のある取引も耳にしました。
枚挙に暇がありませんが、例えば、2億円で懇意の買主に買収させ、即座に5億円で転売するようなケースでは、売主が実質的に3億円騙し取られているとも言えます。騙したM&A仲介業者は罪に問われることもなく計4回も成功報酬を貰えます。
私は父親の無念を晴らしたい、リスクを負い苦労して会社を創業した人々がカモにされるのを見過ごせないという強い想いから、「正々堂々とM&Aで高く売るための方法」を徹底的に研究し、実行できる場所がなかったため、独立を決意しました。
仕事へのこだわり
弊社の仕事は職人気質であり、受託可能な件数には限りがあります。そのため「会社の価値を高めるノウハウ」、「会社を高く売るノウハウ」、「減点評価を避けるノウハウ」や「売った後にも潜むリスク」などについて、惜しむことなく無料公開しています。売主様が会社を高く売る目的に徹する「M&A用語+」では約500の用語を解説し、「山頂への道標」では数百本のブログ記事を公開しています。
小難しいことが苦にならないオーナー様なら、やるべきことを実行するだけで、大手BB業者が2億円と評価する会社を10億円で売ることが可能なケースも意外とあります。空き時間に気になる用語や記事を読んでいただくと、必ず「気付き」を得られると思います。
私の仕事に対するこだわりは、「大手BB会社に言われた金額の最低2倍、できれば5倍以上で売ること」です。そのために「人の3倍働く」「あらゆるM&A技術を駆使する」「普通のM&Aアドバイザーよりビジネスを5倍深く理解する」ことを実践しています。一瞬だけ高く売れたとしても、その後に損害賠償や追徴課税で手取りが激減しては意味がありません。
大事にしているのは、「できることなら本当に何でもやる」という姿勢です。事業を体で理解するため、色々なことを自ら実践してきました。気づいたら料理はプロ級、プログラミングも自分でこなしてます。体力勝負でもあるので、週2~3回サンドバックを15ラウンド叩いてます。
若者へのメッセージ
起業をすれば、自分の尖った能力を最大限発揮できる場所を自分で作れてしまいます。まずは自分を信じて会社を興してみましょう。日本人は慎重な人が多く、尖った能力の多くは大企業で眠っています。つまり競争は比較的緩やか、意外にチャンスはあちこちに転がっています。
M&Aイグジットは超富裕層になるためのほぼ唯一の道と言っても過言ではありません。M&Aの世界にも成功法則があります。特に「コーポレートファイナンス」というルールブックを無視すると、BBレベル(1~2億円以下)で終わってしまいます。中長期的な視点から、M&Aのルールを意識しながら事業を拡大していけば、高額売却も視野に入ってくるはずです。
テクノロジーは破壊と創造の神となりました。戦後加速したグローバリゼーションの調整の動きも気になります。エッセンシャルニーズ+テクノロジー、高付加価値+海外需要取込みまたは国内生産販売、ミニニーズ大量販売+超効率化などが大成功のパターンになる期間が続きそうです。
起業にリスクはつきもので、お金の苦労が絶えません。資産運用や副業によって収入源を多角化しておくと安心です。