現在の仕事についた経緯
元々起業するつもりは全くありませんでした。ただ、ビジネスパーソンとして成功をしたいとは強く思っていました。コミュニケーション能力が高いと自負していたので、大企業に入ってのし上がっていこうと思っていましたが、その考えが甘かったのか、大企業の面接にはことごとく落ち、唯一ベンチャー企業のネット広告代理店に拾っていただきました。
最初はインターネットが「オタクっぽい」という印象で毛嫌いしており、インターネットではない事業部で働いていましたが、時代の流れには抗えずインターネットを利用した新規ビジネス立ち上げを手がけるようになりました。その会社で30歳までに年収1,000万円を目指そうと思ったものの、自分が思い描いていた成長スピードとは異なると感じたため、よりチャレンジングな環境に身を置く決意をし転職しました。
1社目の経験を活かし2社目でも新規事業の立ち上げを担当し、複数のプロダクトを世に出していきました。そこではやりがいはあったものの、自分の考えよりも会社の考えや上司の考えを優先させつつ、成果を上げるという難しさに直面しました。年収1,000万円を超えたものの、責任とやりがいと報酬のバランスを欠き、年収1,000万円の次に何を目指すべきかがわからなくなってしまいました。
以前は単純に新しいものを作り、世に出していく楽しみを感じることができていたのに、その時は全く楽しむことができず、成果も付いてきませんでした。であれば、自分で責任を持ち、自分で意思決定をし、自分でその報酬を得る方が良いのではないか?本来の楽しみを感じることができるのではないか?と思い、起業に至りました。
仕事へのこだわり
仕事へのこだわりを挙げるとキリがないのですが、まずは自分自身の価値や存在意義について考えることが多いです。上記でも述べているように、高年収を狙っていたので、他の誰でもできる仕事をするつもりは全くありませんでした。自分にしかできない仕事とはなんなのか?自分にしか創り出せない価値とはなんなのか?ということを常に意識しながら仕事に取り組んできました。
代表になった今でも、自分が最も高い給与や報酬を受け取る立場として、その金額に見合った仕事ができているのか?本当にクリエイティブな仕事ができているのか?ということを常に自問自答しています。若い頃は、他のメンバーと同じ仕事をするにしても、どうすればもっと早く仕事を進めることができるのだろう?どうしたら普通では失注してしまう案件を“自分であれば受注できる”という状況にできるだろうか?ということを考えながら仕事をしていました。
そして常に、まず「本質がなんなのか?」ということを考えるようにしていました。仕事をしていると、目の前の課題や目新しいトピックに意識が引っ張られ、気づけば当初の目的や本当に解決すべき問題が見えなくなることがよくあります。特に議論が白熱してくると、もともと何の話をしていたのか?本質的な問題がなんなのか?が見えなくなることが多くありました。そこで一旦立ち戻って、そもそも何が問題なのか?私たちは何を成し遂げるべきなのか?と立ち返ることが重要だと考えながら仕事をしていました。こうした経験を積み重ねるうちに、仕事をする上で「本質を捕まえること」が最も重要だと確信するようになりました。
そういった経緯もあって、会社のValueのひとつに【本質を捕まえる】という項目を入れています。この【本質を捕まえる】というValueは、メイキップで仕事をする上での判断や行動の基盤となる考え方です。常に本質を意識していなければ、何が最も大切なのかを見失ってしまいます。本質を見失ったままプロダクトを作っても、決して成功にはつながらないと考えています。我々は、単なる表面的な解決策にとどまらず、常に「本当に重要なことは何か?」を問い続けながら、価値あるものを生み出していくことを大切にしています。
加えて、残業をしたくないという気持ちが非常に強かったですね。夜遅くまで働き、休日も仕事をしている同僚がいましたが、僕は絶対にしたくないと思っていました。必ず時間内に終わらせるようにプランニングをし、定時に帰宅とまではいきませんでしたが、なるべく残業をしないように心がけていました。
若者へのメッセージ
多くの若者が安定性を求めて大手企業や公務員を目指すと聞いていますが、とても残念だなと感じています。何がどうなっても人生は一度きりです。僕は、自分が何をやりたいのか?何に喜びを感じるのか?自分の人生を何にどう使うのか?ということに向き合い、自分がすべき仕事を選ぶべきだと思っています。
僕も年収1,000万円を達成した後に、自分自身が何に喜びを感じ、どういう時に楽しい、嬉しいと感じるのかがわからなくなってしまったことがありました。その時に、せっかくいただいたこの人生を何に使うべきか?ということを嫌というほど考えました。その結果、自分は、自分にしかできない新しいビジネスを立ち上げ、信頼できる仲間と切磋琢磨しながら少しずつでも成長していくことに喜びを感じるんだと気付くことができました。その想いが原動力となり起業に至りました。
新しいことに対して一歩踏み出し挑戦することは、とても勇気がいることです。僕も起業する前に、とんでもない恐怖感に襲われました。失敗したらどうするんだろう?お金がなくなってしまったらどうしたらいいんだろう?友達がいなくなってしまうのではないか?などなど、不安は尽きませんでした。それでも、自分が自分らしく、自分が思い描いた自分を実現するために、勇気を振り絞り一歩踏み出しました。
その後は、人に恵まれ、もがきながらも今があります。あの時に楽な道を選び、自分の気持ちに蓋をして一歩を踏み出していなかったら、今の僕はありません。自分自身と向き合うということは、決して楽なことではなく、怖いかもしれませんが、それなくして有意義な人生は送れないのではないかと思います。そして、自分の人生と向き合うことこそ、人生の醍醐味だと思います。限りある自分の人生を何に費やすのか?自分がやりたいことはなんなのか?自分の五感を全て使い、向き合えたらそれは皆さんにとって決して損にはならないと思います。
最後に、こうして僕の文章を読んでくれてありがとうございます。僕の生き方や考え方が、1人でも多くの人たちにとって良い影響を与えることができたのであれば、それはとても有り難いことで嬉しく思います。