リーダーインタビュー
永 滋康
弁護士法人 永 総合法律事務所 代表弁護士 永 滋康 https://ei-law.jp/

Profile

慶應義塾大学 法学部 法律学科を卒業して2006年に弁護士登録。中小企業法務、不動産取引、寺社法務など幅広い分野を取り扱う「総合法律事務所」として弁護士法人 永 総合法律事務所を開設。第二東京弁護士会副会長や文部科学省有識者などの公職も務める。『民法改正対応契約書式の実務』や『第三者委員会実務マニュアル』など著書多数。

現在の仕事についた経緯

父方の実家が江戸時代から400年続く浅草の寺で、同じく母方の実家も400年続く新潟の古刹です。加えて、親戚すべてお寺の僧侶の一族で、サラリーマンの家庭が身近になかったせいか、お金を稼ぎたい、出世したいという欲求は不思議とありませんでした。
お寺は仏の教えを説いて、悩んでいる人々や苦しんでいる人々の心を救うのが役目です。男3人兄弟の真ん中で、兄が寺を継ぐため、私は家を出ていかなければなりませんでした。私自身は寺の仕事には就きませんが、違う形で困っている人たちの力になりたいと思っていました。
弁護士は法律の力で困っている人たちを救う、あるべき道を照らして歩みを進めてあげる仕事です。俗な言い方をすれば“カウンセリング”です。法律を武器に悩んでいる人に寄り添って、共に歩くカウンセラーになりたいと思いました。結局は両親の仕事と近いものを選んだのかもしれません。

仕事へのこだわり

依頼人が何を考え、何を最優先で求めているのかを可能な限り早く、かつ正確に把握することがこだわりです。
依頼人がAだと言っても本当に求めているものが実はBであったということは往々にしてあります。そこを勘違いしてしまうと、例え裁判で全面勝訴判決を獲得したとしても依頼人の満足する解決とは到底言えません。
獲得目標を見定めたうえで、ではそこに至るためのアプローチとして何がベストなのかを依頼人と一緒に考えていく。常に依頼人の気持ちに寄り添い、常にそこを基点にして事件対応を進めていく。これを我が事務所のポリシーとして考えています。

弊所では『共に歩み、共に成長し、共に喜びを分かち合えるパートナーシップを』を事務所理念として掲げています。
前にお世話になっていた事務所を辞めて独立したのは、当時のボスがクライアントの社長と旧知の友人として公私ともに仲良く、親身になってアドバイスして会社を支えていたことがとても印象に残っていたからです。
私はまだまだ半人前以下ですが、一刻も早くお互いに信頼できるクライアントと出会って、そして30年、40年かけて私も弁護士として大きく成長し、クライアントも同様に紆余曲折を経て成長していくなかで、互いに切磋琢磨しつつサポートしていける関係になりたいと思いました。

また、IT技術が発達してきてAIが弁護士の業務を取って代わるといった話がまことしやかに出てきています。確かに、弁護士は決められた法律を解釈して一定の事実に当てはめ、事件を解決していくという意味でやや機械的な面はあります。しかし、それだけならば判例や法律文書を読み解ければ誰でもできるのです。
弁護士の本来的な役割はそこではありません。依頼人の言葉を表面的に読み取るのではなく、彼らが真に何を求めているのかを言葉から探り出し、そこに光をあて、そこに至るためには何をして何をすべきではないのか、それを共に考え、提案する。それが法律によるカウンセリングだと思います。

紛争を解決するだけでは足りません。どう解決するのが依頼人にとってベストなのかを考え、じっくりひざを突き合わせて話を聞き、光を照らして導く。それが真に弁護士に求められている仕事だと思うのです。
そういう気持ちを込めて『共に歩み、共に成長し、共に喜びを分かち合えるパートナーシップを』を事務所理念を掲げ、その思いを常に大切にしています。

若者へのメッセージ

一般の方は弁護士というと「裁判やトラブル沙汰に巻き込まれたら相談しよう」と思っている方がほとんどです。しかし、弁護士が真価を発揮するのは、裁判などの紛争が現実化した「事後的」な場合よりも、紛争が発生する前にこれを防ぐ「予防的」な場面です。新規業務分野の開拓や新規取引先との契約の場面におけるリーガルチェックやリーガルリサーチなど、早め早めに弁護士のチェックを受けることによって、その後に予想される大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
病気の場合はかかりつけのホームドクターが頼りになりますが、そのホームローヤー版として、法律顧問としての弁護士をどんどん気軽に活用していってもらいたいと思います。
トラブルになる前の段階で気軽に相談できる弁護士をできるだけ早く見つけておくことが、今後の経営者人生において重要な意味を持ってくるものと確信しています。